【インフルエンザ】症状や感染経路、予防策は?

インフルエンザ 症状 イメージ

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2022年8月31日に厚生労働省が専門家部会で今シーズンのインフルエンザワクチンの供給量が、新型コロナとの同時流行が懸念されることなどから、過去最大となる見通しであることを明らかにしました。

新型コロナウィルス感染症の流行から影が薄くなっていたインフルエンザですが、上記によると、厚生労働省が予測する上で参考とされる南半球のオーストラリアで流行しており、新型コロナと同時に流行する懸念からワクチンの需要が高まる可能性があるとしています。

「コロナと同時流行するかは実際にはわからない」ともしていますが、日本とは季節が逆でインフルエンザの流行時期が日本とは半年ずれる南半球のオーストラリアで、一昨年、昨年とインフルエンザの流行レベルが低かった状態であったのに対し、今年は4月以降からインフルエンザの感染が増加し、冬にあたる6月半ばには、新型コロナウイルス流行の前年、2019年を超えるピークの状況になっていることが保健省の資料にもあるようです。

そして、流行にかかわらず、毎年インフルエンザに感染している人がいることも事実であり、インフルエンザは他の風邪と比べて症状が重くなりやすい特徴があります。

コロナウィルス同様しっかりと対策をしておきたいものです。

本記事ではインフルエンザの症状や感染経路、感染対策、感染した場合の対処法などについて解説していきます。

目次

インフルエンザとは?

インフルエンザとは、インフルエンザウィルスを病原とする気道感染症です。

一般的な風邪と比べると、症状が重症化しやすい特徴があります。

主に11月下旬ごろから12月上旬ごろに流行が始まり、翌年の1月から3月ごろにピークを迎えます。

感染力が強く、ひとたび流行が始まってしまうと短期間で感染が拡大します。

また、インフルエンザウィルスは大きくA型・B型・C型の3種類に分けられ、ウイルスの型によっても症状や経過が異なります。

流行する時期も、A型は12月ごろから3月ごろに流行し、B型は2月ごろから春先にかけて流行することが多いとされています。

C型は1月~6月が流行期となりA型やB型とは時期がずれる経口にあるようです。

インフルエンザの症状は?

インフルエンザの主な症状は、のどの痛み、鼻汁、咳などの風邪の諸症状のようなものに加えて、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強いのが特徴です。

さらに、気管支炎、肺炎、子どもの場合は中耳炎、熱性けいれんなどを併発し、重症化することがあります。

特に、高齢者や呼吸器・心臓などに慢性の疾患を持つ方の場合、インフルエンザ自体の症状や、持病の悪化がしやすく、最悪の場合死に至ることもあるので注意が必要です。

近年では、幼児を中心とした小児で、まれに急性脳症を起こして死亡したり、後遺症が残ったりすることが明らかとなっており、原因の解明や治療法の研究が進められていますが、小さい子どもがいらっしゃる方も注意してください。

潜伏期間は1~3日程度です。

インフルエンザの症状は前述のようにウィルスの型によっても異なります。

A型ウイルスの症状や特徴

A型インフルエンザウィルスは3種類の型の中でも特に感染力が強いとされており、他の型と比べて症状の現れ方も激しい傾向にあります。

A型インフルエンザウイルスの症状には以下のようなものが挙げられます。

  • 悪寒
  • のどの痛み・せき・痰・鼻水
  • 頭痛
  • 関節痛・筋肉痛
  • 38℃前後の高熱

これらの症状が急激に現れます。

A型インフルエンザウィルスは前述したような高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患などの持病がある場合には肺炎や脳症などの合併症を併発する可能性も高く、重篤化する恐れもあるため注意が必要です。

体質や予防接種の効果によって発症しても熱が37℃程度の微熱で済む場合や、鼻水や咳といった風邪程度の軽い症状で済む場合もあります。

また、世界的なインフルエンザの流行がある際はA型インフルエンザウィルスの場合が多いです。

通常は、インフルエンザなどのウイルスに一度感染するとそのウイルスに対抗する免疫が作られますが、A型インフルエンザウィルスは140種類以上の型があり、さらに感染した人や動物の体内で形を変えてどんどん進化し続けるので、過去に獲得した免疫が機能しにくく、過去に感染したことがあっても再度感染するリスクも高いのです。

そのため、ワクチンの予測も立てにくく、予防接種を受けていてもワクチンが有効ではないウィルスが現れて大流行してしまう可能性もあります。

B型ウイルスの症状や特徴

B型インフルエンザウイルスは、以前は数年単位での流行でしたが、近年は毎年流行しています。

ですが、A型インフルエンザウイルスのように大きな流行はを起こすことは少ないと考えられています。

B型インフルエンザウィルスの症状は以下のようなものが挙げられます。

  • 悪寒
  • のどの痛み・せき・痰・鼻水
  • 頭痛
  • 関節痛・筋肉痛
  • 38℃前後の高熱
  • 腹痛・下痢・嘔吐がある場合がある

B型インフルエンザウイルスも主にA型インフルエンザウィルスと同様の症状ですが、熱が上がらない場合や症状が軽い場合もあります。

そのため、風邪と勘違いされるケースも珍しくなく、症状は多くの場合発症後1週間程度で軽快します。

ただし、B型インフルエンザウイルスでも、高齢者や小児、免疫力が低下している人や慢性的な疾患がある方は合併症を併発する可能性や重篤化する可能性があるので注意が必要です。

A型インフルエンザウイルスと同様の症状の他にも、腹痛や嘔吐、下痢といった消化器系の症状がみられる傾向があると言われています。

また、A型インフルエンザウィルスは豚や馬などの哺乳類や鳥類など人以外の動物にも感染しますが、B型インフルエンザウィルスは人のみに感染します。

現在B型インフルエンザウィルスとして知られているウィルスの型は2種類(山形系統、ビクトリア系統)しかなく、変異もほとんどしないため、すでに免疫を獲得している人が多く、大流行を引き起こす可能性は低いとされています。

C型ウイルスの症状や特徴

C型インフルエンザウィルスは一度染してしまえば、そこで獲得した免疫により、ほぼ一生かからないと言われています。

そのため、他の型と比べて流行を引き起こしにくく、感染しても重篤な症状まで出ることは少ないようです。

また、ほとんどの大人は免疫を獲得しているため、感染者のほとんどが子どもという特徴もあります。

感染した場合の症状は発熱、咳、鼻水が主で、熱は38℃台の熱が出ますが2日程度で解熱するとされています。

A型・B型インフルエンザウィルスと比べて高熱は出にくい傾向で、約1割の感染者に吐き気や下痢、嘔吐、発疹がみられることがあるようです。

インフルエンザの感染経路は?

インフルエンザの感染経路は飛沫感染と接触感染です。

インフルエンザの場合、空気感染することはほぼ無いと言われられています。

空気感染とは、感染者の飛沫が蒸発し、飛沫核となって浮遊しているものを吸い込むことでウィルスに感染しますが、インフルエンザの場合はこの飛沫核だけでは感染しないと考えられているのです。

インフルエンザの主な感染経路である飛沫感染と接触感染については以下にまとめます。

飛沫感染

飛沫感染は、病原体(ウイルスや細菌)が含まれたしぶき(飛沫)が口や鼻、目の粘膜などから入り込むことで感染する経路です。

咳やくしゃみだけでなく、会話なんかでも感染します。

特に咳やくしゃみの飛沫は思っている以上に細かく、遠くまで飛散します。

その飛散範囲は半径1~2mまで及ぶので、感染者のすぐ近くにいなくても気づかぬうちに病原体を吸いこんでしまい感染症を引き起こす可能性があります。

インフルエンザは飛沫感染が多いと言われているので、自分が感染してしまった場合も含めしっかりとした飛沫感染対策が重要です。

接触感染

接触感染は、病原体(ウイルスや細菌)に接触してしまうことで感染する経路です。

ウィルスは目視で確認すことができないので、知らずのうちに感染者の体内から排出された病原体や自然・住環境の中に潜んでいるウィルスに触れてしまいます。

その手で鼻や口を触ったり、目をこすったりすることでウィルスが侵入し、感染症を引き起こします。

感染経路については以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

インフルエンザの予防策は?

インフルエンザに感染しないためにも、しっかりと予防をしておきましょう。

予防に有効とされる対策は以下の通りです。

マスクの着用

インフルエンザの感染経路は前述のように飛沫感染が多いとされています。

飛沫感染の予防にはマスクの着用が有効です。

近年では、コロナ禍の影響もあり、日頃からマスクを着用されている方が大半でしょう。

マスクの着用には、外部からの飛沫をもらわないようにする目的と、飛沫をまき散らさないようにする目的があります。

マスクの着用をしているからと言って完璧に飛沫感染を予防できるものではありませんが、きちんと着用することで防御策としての効果が期待できます。

厚生労働省では、不織布マスクがウィルスを通しにくいとして推奨していますので、マスクを着用する際には不織布マスクを選ぶとより良いかもしれません。

手洗い・うがい

接触感染の予防に、こまめな手洗い・うがいが有効です。

外出先からの帰宅時や、食事の前などにはしっかりと手洗い・うがいを行ってください。

手洗いには手や腕などに付着したインフルエンザウィルスを除去する効果が期待でき、うがいには口内や喉に付着したウィルスを洗い流す効果が期待できます。

手洗い・うがいをこまめに行うことで、接触感染だけでなく、飛沫感染の予防にもつながるでしょう。

手洗い・うがいを行う際は、お湯ではなく流水(又はぬるま湯)で行い、手や口を拭う際にはタオルの使いまわしはせず、ペーパータオルや清潔なタオルを使用してください。

手洗い・うがいの適切な手順やタイミングは以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

流行時期は人の密集地を避ける

インフルエンザに感染している人との濃厚接触がなくても、近くにいる感染者の咳やくしゃみから感染する可能性もあります。

そのため、インフルエンザの流行時期には極力人混みを避けるようにしましょう。

通勤など、どうしても人混みが避けられない場合は、不織布マスクを着用し、こまめに手洗い・うがいをするなどの予防策をとることで感染リスクを減らせます。

特にインフルエンザが重症化しやすい高齢の方や、持病のある方は流行時期の人混みは避けるよう意識してください。

室内の換気・加湿をする

インフルエンザウイルスを室内で増殖させないためにも、こまめに換気をしましょう。

換気の悪い室内は、空気中の飛沫が濃縮されるなど、感染を助長してしまう可能性があります。

こまめに換気をすることが難しい場所では、空気清浄機などを活用するのも良いでしょう。

また、室内の乾燥にも注意してください。

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザに感染しやすくなる可能性もあります。

加湿器を使用したり、濡らしたタオルや洗濯物などを室内に干したりしながら乾燥対策を行うと良いでしょう。

加湿の目安として、湿度は50~60%が理想的です。

予防接種をする

インフルエンザは、ワクチンの接種で予防することも可能です。

ワクチンは毎年流行するインフルエンザの型を予測して作られています。

ただし、前述したようにA型インフルエンザウィルスは140種類以上あり、感染先での進化を続けていることもあり、ワクチンを接種すれば絶対にインフルエンザにかからないという保証はありません。

あくまでもワクチン接種は予防対策の1つとして認識しておきましょう。

そうは言っても、世界での流行の様子を見ながらワクチンの予測を立てているので、予防接種を受けていれば、仮にインフルエンザに感染したとしても症状が軽度で済む傾向にはあります。

特に高齢者や持病をお持ちの方はなどは重症化するリスクも高いですから、予防接種を検討してみてください。

予防接種は、扱うワクチンの種類や年齢によって接種内容が異なりますので、予防接種を検討される方はワクチンの接種時期や回数など、最寄りの医療機関に問い合わせてみてください。

かかってしまった時の対処は?

インフルエンザに感染してしまった場合、症状の悪化を防ぐためにも、二次感染を防ぐためにも、適切な対処をしましょう。

とるべき対処を以下に挙げていきます。

医療機関に相談・受診する

インフルエンザウィルスは増殖速度が速く、急速に症状が進行します。

そのため、インフルエンザの流行時期に風邪のような症状が出たり、体調がすぐれない場合には、早めに医療機関を受診してください。

自分が受診するべきかどうか判断に悩まれるようであれば、まずは、かかりつけ医や近隣の医療機関に電話などで相談してみると良いでしょう。

インフルエンザにはタミフルやリレンザなどの有効な抗インフルエンザウィルス薬がいくつか存在し、これらの投与をすることで、体内でインフルエンザウィルスが増殖するのを抑えることができます。

症状の悪化や二次感染を防ぐためにも、「ただの風邪だろう」などと油断せずに、有効な薬の処方をしてもらうなど、適切な治療を早めに受けることが重要です。

十分な睡眠・休養

睡眠不足は免疫力を低下させてしまいます。

症状を悪化させず、早く回復するためにも、インフルエンザの感染中は安静にし、しっかりと休養をとってください。

十分な睡眠をとり、ゆっくり体を休ませましょう。

バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事を心がけることで、免疫力の向上につながります。

そして、それがインフルエンザの症状の悪化や重症化を防ぐことにもつながるのです。

日頃からバランスの取れた食事をとるように心がけるのに越したことはないですが、特に感染中はバランスに気を使って食事をとりましょう。

水分補給

インフルエンザ感染中は、高熱による脱水症状を防ぐためにも十分な水分補給が大切です。

水やスポーツドリンクだけでなくお茶やジュースなどでも構いませんが、利尿作用の強めのものは逆に脱水症状を助長してしまう可能性があるので避けましょう。

また、アルコールは睡眠に悪影響を及ぼすだけでなく、脱水症状を引き起こす場合もあるので完治するまでは控えましょう。

マスクの着用

二次感染を防ぐためにもマスクの着用は大切です。

人と接する際には必ずマスクを着用し、咳やくしゃみのエチケットも守るよう徹底してください。

手洗い・うがい

インフルエンザの重症化や他の病原体の感染を防ぐためにも、二次感染を防ぐためにも、こまめに手洗い・うがいをすることは大切です。

特に、ご家族や友人など、同居されてる方がいる場合は、共有物に触れる際など、都度手洗いをすることで二次感染のリスクを軽減することができます。

エタノールを含むアルコール消毒剤などを使用するのも効果的です。

まとめ

インフルエンザはインフルエンザウィルスに感染することで引き起こされる感染症です。

主にA型、B型、C型の3種類の型に分けられ、型により流行時期や発症する症状にも違いがありますが、症状が激しく、全身症状が出るの特徴があります。

高齢者や小さな子ども、持病のある方は、合併症の併発や重篤化しやすいので注意が必要です。

特にA型インフルエンザウィルスはウィルスの方が140種類以上あり、免疫が作用しづらく、大流行しやすいとされています。

感染予防には、マスクの着用やこまめな手洗い・うがいが効果的です。

予防接種を受けておくのも良いでしょう。

感染が疑わしい場合や感染してしまった場合には、速やかに医療機関に相談・受診して、早い段階での抗ウィルス薬の投与など適切な治療を受けられるようにし、十分な睡眠・バランスの取れた食事・こまめな水分補給で重症化を防ぎましょう。

重症化を防ぐだけでなく、二次感染を予防するためにも、こまめな手洗い・うがいやマスクの着用を心がけてください。

感染を拡大させないためにも、しっかりとした予防と対処を心がけていきましょう。

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この記事を書いた人

コロナ禍の真っただ中で第一子を迎えた事を機に、家族を守っていくためにも感染症や感染症対策についての知識をつけていくことの重要性を痛感しました。
医療従事者の妻から意見を得たり、専門書籍や医療機関の発信情報などを漁り、日々感染症への理解を深めています!

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