アルコール消毒液と次亜塩素酸水の違いは?どちらを選べば良いの?

アルコール 次亜塩素酸水 違い

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昨今では新型コロナウイルスの流行もあり、手洗い、うがいだけでなく、手指や身の回りの物の消毒への意識や関心が流行前よりも高まっている方も多いのではないでしょうか。

ウイルスなどの感染対策において、有効な消毒液はアルコール消毒液だけではありません。

次亜塩素酸を主成分とする次亜塩素酸水もウイルス対策に効果的であることをご存じの方や耳にしたことがある方も少なくないでしょう。

そういった中で

「アルコール消毒液と次亜塩素酸水の違いは?」

「どっちの方がいいの?」

などの疑問を持たれたことがあるのではないでしょうか。

次亜塩素酸水、アルコール消毒液ともにウイルス対策に有効という点においては共通していますが、いったいどのような違いがあるのでしょう。

本記事ではアルコール消毒液と次亜塩素酸水のそれぞれの特徴や違いなどをご紹介していきます。

日々の感染対策にお役立てください。

目次

アルコール消毒液と次亜塩素酸水とは

まずはそれぞれがどのようなものなのか確認していきましょう。

アルコール消毒液

アルコール消毒液に使用されるアルコールは、エタノール(エチルアルコール)やイソプロパノールなど、いくつかの種類があります。

その中でも市販されているアルコール消毒液の大半はエタノールが主成分になっています。

エタノールにも発酵アルコールと合成アルコールの2種類があり、アルコール消毒液に使用されているのは主に発酵アルコールになります。

発酵アルコールはサトウキビ・テンサイなどの糖質原料やトウモロコシ・イモ類などのでんぷん質原料を発行させたアルコールで、消毒液に限らずお酒にも使われています。

一方の合成アルコールは化学反応によって作られたアルコールで、主に洗剤や化粧品などの原料として使われています。

アルコール消毒液はジェル状のものやスプレータイプのものなど、液状のものに限らず販売されている商品の種類が豊富なのも特徴の一つです。

次亜塩素酸水

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸を主成分とした水溶液です。

主成分の次亜塩素酸は、人体の免疫システムにおいて白血球内で生成されている細胞性免疫のメインとなる物質で、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体を攻撃し、排除します。

アルコール消毒液と次亜塩素酸水の違い

アルコール消毒液と次亜塩素酸水は前述にもあったようにどちらもウイルス対策に有効な消毒液ですが、肌への影響や残留性、においなど異なる点は多々あります。

ここでは異なる点を順番にご紹介します。

消毒液をどちらにするか迷われた際は以下の内容を参考に選ばれると良いでしょう。

除菌効果

アルコール消毒液は細菌・真菌・ウイルスなど広範囲の病原体に対して有効です。

しかし、芽胞には無効ですし、水虫などの糸状菌やノロウイルスなどのノンエンベロープウイルス(エンベロープを持たないウイルス)には効果が低いことがわかっています。

一方で、次亜塩素酸水は次亜塩素水の濃度によっても異なりますが、細菌・真菌・ウイルスなどアルコール消毒液同様に広範囲の病原体に対して有効であり、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスに対しても効果があるとされています。

肌への影響

アルコール消毒液には、脂質を溶かす脱脂作用と脱水作用があります。

そのため、肌の弱い方は手荒れ・肌荒れを起こしてしまう可能性があります。

もちろん、市販されている商品はそういった安全性も考慮して作られているものですから、そこまで影響が出ることはないでしょう。

ですが、あまり多用しすぎると少なからずの症状が出てしまうこともありますので、肌の弱い方やお子様は特に注意して使用する必要があります。

また、万が一口に入ってしまった場合は製品によっては気持ち悪くなるなどの症状が出る恐れもあるので気を付けましょう。

一方で、次亜塩素酸水の場合、主にウイルス対策などで使用されるものは弱酸性次亜塩素酸水や微酸性次亜塩素酸水など、人の肌の成分に近いものが多くなっています。

そのため、万が一肌に触れたり口に入ってしまうようなことがあっても、影響が出にくいとされています。

また、次亜塩素酸水は有機物に触れると水に還る性質があるので、肌に付着したとしても有害な物質が発生することもありません。

残留性

アルコール消毒液、次亜塩素酸水ともに、使用後に残留しないという共通点があります。

ただ、アルコール消毒液には揮発する性質があり、次亜塩素酸水はにおいやウイルスに触れると成分が分解されて水に還る性質があります。

可燃性と不燃性

アルコールは可燃性の溶液、次亜塩素酸水は不燃性の溶液です。

次亜塩素酸水は不燃性ではありますが、どちらも火気のある場所での使用はしないよう注意書きがされているので、使う場所には気を付けるようにしましょう。

空間噴霧の可否

アルコール消毒液は、人への刺激が強く、可燃性で引火の恐れもあるため空間への噴霧には向きません。

一方、次亜塩素酸水は専用の噴霧器で空間噴霧をすることも可能なので、手指や物に付着した菌の除菌だけでなく、空間に浮遊している菌の除菌にも活用することが可能です。

におい

アルコール消毒液は主成分がアルコールのため、アルコール臭が強いので、においに敏感な方やアルコールのにおいが苦手な方は気になることもあるかもしれません。

一方、次亜塩素酸水は塩素臭がわずかにありますが、すぐににおいも消えるため、基本的には無臭でそこまで気にならないのではないでしょうか。

消臭効果

アルコール消毒液は、消臭効果があったりなかったりなど製品によってばらつきがあります。

一方、次亜塩素酸水は参加作用があり、においのもとを分解・破壊することができ、消臭効果が認められています。

特に、食べ物・生ごみ・タバコ・ペット・大衆・トイレのにおいなど、幅広く効果があるとされています。

アルコール消毒液と次亜塩素酸水の比較

上記までのことを踏まえつつ、アルコール消毒液と次亜塩素酸水を表で比較してみましょう。

スクロールできます
アルコール消毒液次亜塩素酸水
除菌力高い

(ノンエンベロープウイルスには効き目弱)
高い

(ノンエンベロープウイルスにも有効)
刺激性強い低い
肌への影響脱脂性・脱水性があり手荒れなどの可能性ありほぼ影響なし
可燃性ありなし
揮発性高い低い
消臭力低い高い
濡れた場所の消毒効果が弱い効果あり

ここまでは、アルコール消毒液と次亜塩素酸水の違いについてみてきました。

どちらも高い除菌効果があり、ご家庭で使用するにおいてはどちらを選んでも問題ないといえるでしょう。

強いて言うのであれば、ノロウイルスなどの除菌もお考えの方、肌の弱い方、アルコール臭の苦手な方、空間除菌もしたい方、除菌と同時に消臭もしたい方は次亜塩素酸水を選ばれると良いのではないでしょうか。

また、次亜塩素酸水を選ばれる際は次亜塩素酸ナトリウム水溶液と間違わないように注意してください。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液は似ているようで異なるものです。

次にその違いも確認しておきましょう。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液の違い

まず、次亜塩素酸水は水の中に含まれる次亜塩素酸の有効塩素濃度(pH値)によって、「強酸性次亜塩素酸水」「弱酸性次亜塩素酸水」「微酸性次亜塩素酸水」の三つに分類されます。

pH 有効塩素濃度
強酸性次亜塩素酸水 2.7以下 20〜60ppm(mg/kg)
弱酸性次亜塩素酸水 2.7~5.0 10〜60ppm(mg/kg)
微酸性次亜塩素酸水 5~6.5 10〜80ppm(mg/kg)

上記についてはどれを選んでも直接肌などに使用しても問題はありません。

ですが中には次亜塩素酸と聞いて、ハイターなどの漂白剤などを思い浮かべている方も少なくないのでは?

しかし、ハイターなどが直接肌に触れてしまった場合はすぐに洗い流す必要があることは皆さん認識されてるのではないでしょうか。

実はハイターなどの主成分は「次亜塩素酸ナトリウム」という成分で、次亜塩素酸水に含まれる次亜塩素酸とは異なった性質をもつものです。

この二つの大きな違いは、pH値が酸性~中性側なのか、アルカリ性側なのかの違いです。

酸性~中性側であれば次亜塩素酸水、アルカリ性側であれば次亜塩素酸ナトリウムです。

どちらにも除菌・消臭効果はありますが、漂白効果があるのは次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。

安全性が高いのは次亜塩素酸水になります。

また、アメリカ環境保護局の調査によると次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウム水溶液と比べて、殺菌速度が80倍にもなるとされており、より速く除菌効果を得ることができます。

まとめ

アルコール消毒液と次亜塩素酸水は高い除菌効果があるという点においては同様であり、ご家庭での除菌薬としてはどちらを選ばれても問題ありません。

ノロウイルスなどの除菌もお考えの方、肌の弱い方、アルコール臭の苦手な方、空間除菌もしたい方、除菌と同時に消臭もしたい方は次亜塩素酸水を選ばれると良いでしょう。

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この記事を書いた人

コロナ禍の真っただ中で第一子を迎えた事を機に、家族を守っていくためにも感染症や感染症対策についての知識をつけていくことの重要性を痛感しました。
医療従事者の妻から意見を得たり、専門書籍や医療機関の発信情報などを漁り、日々感染症への理解を深めています!

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