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手足口病は大人にもうつるの?子どもがかかったらどうする?
手足口病は主に幼い子どもが感染し、手足や口に発疹ができるウイルス性の感染症です。
毎年夏に流行する手足口病ですが、東京都の発表によると今年(2024年6月現在)は2年ぶりに都の警報基準を超え、大きな流行となっているようです。
筆者の娘たちが通う保育園でも流行しており、先日から4歳の長女が感染してしまい「足のぼつぼつがいたい」と苦しんでいます。
まだ0歳児の次女がおり、次女への感染を防ぐためにも、親が長女からもらわないようにしなければと思っているところです。
手足口病は主に幼い子どもが感染することで知られていますが、大人にも感染するのでしょうか。
本記事では手足口病が大人にも感染するのかなどについて解説していきます。
手足口病とは
手足口病は、子どもを中心に、主に夏に流行し、7月にピークを迎えます。
口の中や手足などに水疱性の発疹が出るウイルス性の感染症です。
手足口病の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6(CA6)、コクサッキーウイルスA16(CA16)、エンテロウイルス71(EV71)などのノンエンベロープウイルスです。
ちなみに、エンベロープウイルスはアルコール消毒剤からのダメージを受けやすいのですが、エンベロープのないノンエンベロープウイルスはアルコール消毒剤からのダメージを受けにくいため、アルコール消毒剤が効きにくい傾向にあります。
手足口病の症状
手足口病の潜伏期間は3日~5日程度です。
口の中の粘膜や手のひら、足の裏や甲などに2~3mmの水疱性発疹が現れます。
約1/3の発症者に1~3日程度の間発熱があることがありますが、その場合も大半はあまり熱は高くならず、高熱が続くような症状は基本的にありません。
水疱はほとんどの場合かさぶたにはならずに治ることが多く、1週間程度で症状はなくなります。
中には、1~2ヶ月後に手足の爪がはがれるような症例の報告もあるようですが、自然に新しい爪が生えてきて大事にはいたらないとされています。
また、口の中にできた水泡がつぶれたあとにできる口内炎がひどくなり、食事や飲み物を受け付けなくなり、それにより脱水症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。
加えて、まれな症例ではありますが、髄膜炎・小脳失調症・脳炎などの中枢神経系の合併症や心筋炎・神経原性肺水腫・急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。
特にエンテロウイルス71に感染した場合、ほかのウイルスによる手足口病と比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす可能性が高いことが明らかになっています。
手足口病の典型的な症状がないまま重症になるケースもあるのでこちらも注意が必要です。
手足口病は大人にも感染する?
手足口病は子どもの感染症というイメージが強いですが、ウイルス感染症ですので大人でも感染する恐れがあります。
手足口病の原因となる主なウイルスにも、前述で挙げたようにいくつかの種類がありますので、幼少期に感染していない型のウイルスに感染してしまうことがあるのです。
手足口病の感染経路
手足口病の感染経路は主に飛沫感染・接触感染・糞口感染です。
大人の手足口病は子どもから感染するパターンが大半で、感染の場は家庭や職場が多いといわれています。
子どものいる家庭で手足口病に感染したの親が会社に出勤し、職場にウイルスを持ち込むことで他の大人に感染を広げてしまうケースも少なくありません。
手足口病は症状が必ず出るわけではなく、症状が出ないまま経過することもありますから、日頃から感染予防を心掛けましょう。
感染経路の概要
感染経路 | 経路の内容 |
---|---|
飛沫感染 | 病原体(ウイルスや細菌)が含まれたしぶき(飛沫)が口や鼻に入り込むことで感染する経路です。咳やくしゃみ、会話なんかでも感染します。 特に咳やくしゃみのしぶきは思っている以上に細かく、遠くまで飛散します。その飛散範囲は半径1~2mまで及ぶので 感染者のすぐ近くにいなくても気づかぬうちに病原体を吸いこんでしまい感染症を引き起こす可能性があります。 通常のマスク(サージカルマスク)の着用である程度予防ができます。 |
接触感染 | 病原体(ウイルスや細菌)に接触してしまうことで感染する経路です。 病原体は目視で確認すことができないので、知らずのうちに感染者の体内から排出された病原体や自然・住環境の中に潜んでいる病原体に触れてしまいます。 その手で鼻や口を触ったり、目をこすったりすることで病原体が侵入し、感染症を引き起こします。 また、けがをしたときには傷口を清潔にしておかないと傷口から血液を通って病原体が侵入し、感染症を引き起こすこともあります。 |
経口感染・糞口感染 | 経口感染は、病原体(ウイルスや細菌)が付着した飲食物などを口にすることによって感染する経路です。 一方、感染者の便に含まれる病原体に触れ、それが口から体内へ入る感染経路を糞口感染と呼びます。 便に含まれる病原体は直接便に触れなくても、便から飛散した病原体が便器に付着していたり、拭いた手についている病原体がドアノブなどについていたりします。 トイレの後はしっかり手を洗いましょう。 |
大人が手足口病に感染したら?
大人が手足口病に感染し、症状がでる場合は、子どもに比べて発疹が強く現れます。
また発疹の前に、倦怠感や筋肉痛、悪寒などの症状、40℃ほどの高熱が出たりすることもあります。
このように大人の発症の仕方は子どもとは異なることがあるため、発疹が出る前は風邪と勘違いをしてしまうこともあるでしょう。
大人でも発疹が出たり、前述したような風邪に似た症状が現れたりした場合は、手足口病を疑って医療機関に相談するようにしましょう。
手足口病の治療法は?
手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法もありません。
基本的には症状の軽い感染症なので、経過観察をしながら症状に応じた対症療法をとっていきます。
口内炎に対して鎮痛薬で痛みを和らげたり、粘膜保護のために軟膏が処方されたりるすのが一般的です。
手足口病の予防法は?
手足口病には有効なワクチンや予防できる薬もありません。
また、症状が完治していても、しばらくの間便などからウイルスが排泄される場合や、感染していても発症せずにウイルスを排泄している場合もあります。
そのため、発症者だけを隔離しても有効な対策にはなりません。
一般的な感染対策としては、手足口病は飛沫感染・接触感染・糞口感染の3つが主な感染経路であり、それぞれの感染経路を断つことが大切です。
消毒剤としては前述したように手足口病の原因となるウイルスにはアルコール消毒剤の効き目は薄いですが、 次亜塩素酸ナトリウムや酸性アルコール消毒剤は有効とされています。
また、子どもおむつを交換する際などには排泄物の適切な処理と、手洗いが重要です。
手洗いの際は流水と石鹸で十分に洗い、タオルの共用は避けてください。
経路別の感染対策
このように、感染経路もさまざまですので経路に応じた対策をとる必要があります。
経路別に有効とされている感染対策をまとめたのでこちらも参考にしてください。
経路 | 対策 |
---|---|
飛沫感染 |
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接触感染 |
|
経口・糞口感染 |
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まとめ
手足口病は子どもの感染症のイメージが強いですが、大人にも感染することがあります。
子どもが感染してしまった際はご紹介したような感染対策をとり、二次感染を予防しましょう。