防災グッズで暑さ対策！停電や断水に備える夏の災害対策を紹介

真夏の災害で停電や断水が起きたらどう乗り切ればいいのだろうと、不安に感じていませんか？

エアコンが使えず、水道も出ない中での熱中症リスクは、想像以上に深刻です。しかし、適切な防災グッズを準備しておけば、夏の災害でも効果的な暑さ対策が可能です。

この記事では、夏の停電時や断水時に役立つ防災グッズと暑さ対策について詳しくご紹介します。最後まで読めば、夏場に起きる災害への不安も解消されます。

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防災グッズを活用した自宅の暑さ対策

停電で電力の供給がなくなっても、防災グッズを活用すれば暑さ対策ができます。効果的な防災グッズを以下にご紹介します。

• 遮光カーテンやブラインドの活用
• 窓ガラスフィルムの活用
• 窓の開閉による風通しの確保

遮光カーテンやブラインドの活用

停電時の暑さ対策には、遮光性と断熱性に優れたカーテンやブラインドが効果的です。

特に「アルミ蒸着（じょうちゃく）加工」や「ハニカム構造」の製品は、日差しを遮断しつつ室内の温度上昇を防ぎます。 南・西向きの窓に取り付ければ冷房効率が向上し、平常時の電気代節約にもつながります。 

窓ガラスフィルムの活用

窓に遮熱フィルムを貼ることも、室内の温度上昇の抑制に有効です。アルミ蒸着タイプは太陽光や赤外線を反射し、外気の熱を遮断します。

浴室や玄関など、カーテンの設置が難しい場所でも設置できます。万が一ガラスが割れた際にもフィルムが破片の飛散を防ぐので、おすすめの防災グッズです。

窓の開閉による風通しの確保

停電時でも風上と風下の窓を同時に開けば、熱気が効率よく屋外へ排出されます。どの方角に風が吹きやすいかの特性は地域ごとに異なるため、日頃から確認することが大切です。

サーキュレーターを使えば風の流れが強化され、さらに部屋全体に空気が循環しやすくなります。停電に備えるなら、複数の電源供給方式を持つ機種を選ぶのがおすすめです。

自然の風と道具を上手に活用して、熱中症リスクを下げる暑さ対策をしましょう。

真夏の避難所生活で直面する危険とは？

大規模な災害により自宅での避難生活が困難な場合、一時的に体育館など避難所での生活を余儀なくされる場合があります。夏の避難所での集団生活は、自宅避難に比べさらなる熱中症への警戒が必要です。

具体的には、以下のような命に関わる危険性があります。

• 換気不足・過密状態による室内温度の上昇
• 夜間の気温が下がらない「熱帯夜」の危険性
• 高齢者や子どもなど要配慮者のリスク増加
• 過去の事例から見る避難所での熱中症例

特に空調設備が不十分で人が密集する環境では、室温が急上昇し生命を脅かす危険があります。

換気不足・過密状態による室内温度の上昇

避難所の室温は想像以上に急上昇し、命に関わる熱中症リスクを高めます。

体育館などの一見広々とした避難所でも、多くの避難者が集まると換気が不足し、高温多湿な環境になります。特に、窓の少ない施設では外気との入れ替えが難しく、熱がこもりがちです。

体温以上の室温になってしまうと体の熱が放散されず、熱中症や脱水症状のリスクが著しく高まります。

夜間の気温が下がらない蒸し暑い夜の危険性

夜になっても気温も湿度も高い状態が何日も続くと、身体にとって危険な状態になり、最悪の場合は命を落とすことにもなりかねません。

その背景には、体育館や公民館といった避難施設の構造が関係しています。体育館や公民館などの避難施設はコンクリート構造が主流であり、昼間に蓄積された熱が夜間になっても容易に放出されません。

日没後も室温が25℃を下回らない状況が続くと、就寝中も発汗が継続して体が休めなくなります。

結果的に深い睡眠が得られない日が続き、脱水症状や免疫力の低下を引き起こします。特に、免疫低下は避難生活において懸念すべき集団感染発生の原因のひとつになるため、注意しなければなりません。

高齢者や子どもなど要配慮者のリスク増加

避難所の酷暑は、時として高齢者や子どもにとって命の危険を伴う脅威になります。体力の弱い高齢者や子どもは、熱中症のリスクがより高いと言えます。

また、避難所では生活リズムの乱れ、プライバシー問題などが重なり、普段なら軽度で済むような体調不良が悪化しやすくなるのも問題です。

過去の事例から見る避難所での熱中症例

過去には、多くの被災者が災害で熱中症の危機に直面しています。2024年能登半島地震では、長期化する避難生活での健康被害が指摘されました。

原因は、大人数が集まる密閉空間での体温や呼気による室温上昇に加え、体育館特有の断熱性の低さです。避難者からは「エアコンが設置されても電気工事の遅れで使用できない」「湿気が体にこたえる」など切実な訴えが相次ぎました。

夜間でさえ室温が30℃前後、湿度が60％台という環境が続き「耐えられない」という声が多くあったのは、当然の事と言えます。

避難所で暑さ対策を可能にする防災グッズ

夏季の災害において、避難所での熱中症対策は重要課題のひとつです。エアコンの効果が十分ではない避難所では、個人で持参する冷却グッズが命綱です。電力に依存せず体温を下げられる防災グッズを以下にご紹介します。

• 冷感タオルやネッククーラー
• 冷却ジェルシート・冷感敷パッド
• 携帯扇風機・ミスト扇風機

冷感タオルやネッククーラー

外から体温を調節するには、首や脇の下など太い血管が通る部位を冷やすアイテムが最適です。

冷感タオルは水に浸すだけで気化熱による冷却効果を発揮し、首に巻くことで体温を2～3℃下げられます。特に、吸水性と速乾性が高い「PVA（ポリビニルアルコール）タイプ」は、湿度の高い場所でも効果を維持できるのが特徴です。

また、保冷剤内蔵型のネッククーラーは首の頸動脈を直接冷やし、脳や全身に送られる血液の温度を直接下げます。冷えた血液が循環することで深部体温（内臓や脳の温度）の上昇を抑制し、熱中症のリスクを軽減できます。

防災バッグに小さな冷却アイテムを常備するだけで、避難所生活における暑さ対策が可能です。

冷却ジェルシート・冷感敷パッド

避難所での暑さ対策に即効性を発揮するのが、冷却ジェルシートと冷感敷パッドです。冷却ジェルシートに体温全体を下げる効果はありませんが、「気持ちが良い」と感じることで副交感神経が優位になり、不快感の緩和に役立ちます。

特に、頚動脈が通る首筋や腋窩動脈のある脇の下、橈骨動脈のある手首に貼ると冷感が広がります。冷感敷パッドは「最大熱吸収速度（Q-max値）」の高い製品や、接触冷感素材の「キシリトール加工」のタイプがおすすめです。

携帯扇風機・ミスト扇風機

小型で持ち運びやすい携帯扇風機やミスト扇風機も、避難所での暑さ対策には必携です。

携帯扇風機は皮膚表面の汗を蒸発させることで気化熱を生み出し、体感温度を実際の気温より2～3℃下げる効果があります。多機能タイプのものは、USB充電式で長時間使用可能だったり、首掛け型で両手が自由に使えたりなど、避難所生活にも便利です。

ただし、室温が35℃を超える環境では、熱風を送り込むことで逆効果になる恐れがあります。一方、ミスト扇風機は微細な水滴を噴射しながら送風することで、冷却効果を発揮します。

バッテリー駆動の小型扇風機は、避難所生活で欠かせないアイテムの一つです。

水分・塩分補給の役に立つ防災グッズ

真夏の災害時は、停電や断水により水分・塩分補給が極めて困難です。熱中症や脱水症状のリスクが急増し、命に関わる危険を招きます。

特に高齢者や子どもは体温調節機能が弱いため、適切な備えが不可欠です。以下に水分・塩分補給の役に立つ防災グッズをご紹介します。

• 飲料水
• 経口補水液・スポーツドリンク・ゼリー飲料
• 塩飴などの塩分補給アイテム

飲料水

一般的には、1人1日3リットル×7日分を目安とした飲料水の備蓄が必要です。手軽な市販のペットボトル水のほかに、5～10年保存可能な長期保存水も併せて準備できるとさらに安心です。

日常生活で使いながら補充する「ローリングストック法」を活用し、常に新鮮な水を確保しましょう。さらに断水時に役立つ災害用浄水器や、給水所から持ち帰るための給水バッグを準備すれば、長期の水不足にも対応できます。暑さ対策の基本となる水分確保は、万全を期するよう心がけましょう。

経口補水液・スポーツドリンク・ゼリー飲料

災害時の暑さ対策では、水だけでなく電解質を含む飲料の備蓄が必須です。経口補水液やスポーツドリンクは、水分と共にナトリウムなどの電解質を補給し、猛暑下での体内バランスを維持できます。

また、ゼリー飲料は高齢者や子どもでも摂取しやすく、携帯性に優れているため避難時に便利です。常温保存できるタイプが多いのも、夏の災害時の暑さ対策に有効な点です。

塩飴などの塩分補給アイテム

夏の災害対策においては、塩飴は手軽で効果の高い防災グッズです。猛暑時に水分だけを摂取し続けると、塩分が不足し熱中症になる場合があります。

塩飴は一粒で効率的に塩分を摂取でき、さらに砂糖も含むため疲労回復効果も期待できます。長期保存が可能で場所を取らず、非常用持ち出し袋にも入れやすいのも利点です。災害時でも手軽に塩分摂取できる防災グッズとして、塩飴を備えておきましょう。

停電と断水が同時に起こるとどうなる？ 

真夏の災害で最も恐ろしいのは、停電と断水の同時発生です。2019年に起きた台風15号が千葉県にもたらした被害を参考に、猛暑の中でどんな困難が複合的に押し寄せるかを解説します。

• 真夏の室温上昇で熱中症リスクが急増する
• 冷蔵庫が止まり食材が腐敗する
• トイレが流せなくなる
• 調理・入浴ができなくなる
• 情報が遮断される

10日間の停電と1週間近い断水が、どれだけ過酷な環境を避難民に強いたかが想像されます。

真夏の室温上昇で熱中症リスクが急増する

真夏の停電・断水時に直面する最大の危険は、室温の異常な上昇による熱中症です。特に、集合住宅の最上階や断熱性能の低い住宅では上昇速度が速く、室温がすぐに体温を超えてしまいます。

体温調節機能が追いつかなくなり、体内の水分と塩分のバランスが崩れ、重篤な熱中症の危険に晒されます。

また、断水により水分補給ができない状況が重なると、状況は予断を許しません。めまいや嘔吐、意識障害といった症状が短時間で進行します。

冷蔵庫が止まり食材が腐敗する

夏場の停電では、冷蔵庫の停止による食品の急速な腐敗が深刻な問題です。真夏の環境下では、冷蔵庫内の温度は停電から4時間で安全域を超えるので、生肉や魚、乳製品などは廃棄推奨です。

また、停電が2～3日続くとほぼすべての冷蔵食品が腐敗し、悪臭や液漏れが発生し始めます。この段階になると腐敗した食品から有害な細菌やカビが発生するので、もはや衛生問題です。

特に、免疫力の低下した高齢者や子どもにとっては、命に関わる危険になり得ます。

トイレが流せなくなる

停電と断水が同時に発生すると、最も深刻な問題の一つがトイレです。水洗トイレは断水によって水が流せなくなり、タンクレストイレは電磁弁が機能しなくなるため使用できなくなります。

その結果、排泄物が滞留し、家庭内の衛生環境が急速に悪化します。特に人数が多い家庭では深刻です。

成人一人が1日に5〜7回、約200〜400mlの排尿をするため、4人家族なら1日で最大28回分の排泄物が蓄積します。不衛生な環境は悪臭だけでなく細菌を繁殖させ、手洗い水が確保できないことも相まって急激に感染症リスクを増大させます。

調理・入浴ができなくなる

停電と断水が同時に発生すると調理や入浴ができなくなり、衛生状態と健康リスクが急激に悪化します。特に、夏は汗や皮脂が多く分泌されるため、体臭や肌のかゆみなどの皮膚トラブルが増加します。細菌感染やあせも、化膿といった二次的な健康被害の恐れも避けられません。

また、入浴による心身のリフレッシュができないことで、強いストレスや睡眠障害、免疫力の低下につながることも大きな問題です。

情報が遮断される

停電が発生したときの情報の遮断は、深刻な問題であり、特に現代人にとっては大きな恐怖です。停電が長引けばスマートフォンの充電ができず、重要な行政からの避難指示も聞き逃してしまいます。

また、多くの人が一斉に安否確認をするため、電話やネットがつながりにくくなるのも災害時の常です。実際に情報の遮断がもたらす判断の遅れが、過去の災害で繰り返されています。

冷却アイテムだけでの暑さ対策は限界がある

冷却アイテムだけによる暑さ対策は、電力に頼らずにどこまで熱中症のリスクを軽減できるかがポイントです。以下に現実的な実用性と限界を併せて解説します。

• 電池式の携帯扇風機で涼しさを確保する
• 保冷剤と冷却グッズを使って体温を調節する
• 就寝時に熱を逃がす「ござ」や「竹すのこ」を活用する

電池式の携帯扇風機で涼しさを確保する

電池式の携帯扇風機は、停電時でも体感温度を下げられる手軽な手段です。電池や内蔵バッテリーで稼働し、汗の蒸発を助け体温調節に役立ちます。弱風モードなら10時間以上連続使用できる機種もあり、モバイルバッテリーと併用すればさらに長時間の利用が可能です。

ただし、機能に問題があり、長期間は使い続けられない、室温そのものは下げられないなどの限界があります。

保冷剤と冷却グッズを使って体温を調整する

保冷剤や冷却グッズの活用も体温調節に役立ちます。保冷剤や冷却タオルを首筋や脇の下、手首などに当てることで体の熱を逃がし、短時間で体温を下げる効果が期待できます。

特に、手のひらや足裏には体温調節を担う特殊な血管があり、15℃前後の保冷剤で冷やすと深部体温を下げられます。また、就寝時には保冷剤を布で包んで枕にすると寝つきが良くなります。

しかし、停電時は保冷剤の再冷凍ができないため、クーラーボックスで冷気を長持ちさせるなどの工夫が必要です。

就寝時に熱を逃がす「ござ」や「竹すのこ」を活用する

就寝時にござや竹すのこを活用すると、熱や湿気のこもりを軽減できます。ござや竹すのこは肌に触れる面積を少なくできるので、通気性が向上し体からの熱が効率よく発散されるためです。

また、竹素材のシーツは体感温度を1～3℃下げる報告もあり、ひんやり感が持続しやすいのが特徴です。

ただし、連続した猛暑日では、夜間も室温が下がらないのであまり効果を感じられません。もし電力を確保できるポータブル電源があれば、寝室だけでも扇風機を回せるので、複合的な暑さ対策が可能になります。

ポータブル電源を備えておくと安心

ポータブル電源があれば、夏の避難生活の負担を大きく軽減できます。扇風機やエアコンなどの電源が確保できれば、熱中症予防に直結します。以下にポータブル電源のメリットをご紹介します。

• 最大のメリットはすぐに使える利便性
• 冷却機器を動かせることが熱中症予防に直結する
• 太陽光パネルと組み合わせれば停電が長期化しても使い続けられる

最大のメリットはすぐに使える利便性

ポータブル電源最大の利点は、電力が止まった時に即座に代わりの電源を確保できる利便性です。発電機の様にエンジン始動の手間もなく、スイッチ一つですぐに電気製品を使用できます。停電発生で動揺しがちな時でも速やかに扇風機を動かしたりスマートフォンを充電したりできるのは、大きな安心につながります。

冷却機器を動かせることが熱中症予防に直結する

真夏の停電時でも冷却機器を動かせることは、熱中症予防に直結します。家庭用のポータブル電源でも、冷蔵庫やエアコンなど一般的な家電製品のほとんどを動かせます。

定格出力950W以上のポータブル電源ならエアコンを稼働でき、扇風機であれば1台を丸2日（約44～46時間）連続して使用可能です。停電時でも冷却機器が使えることは、高齢者や子どもなど熱中症リスクが高い家族の安全を守る上でとても重要です。

太陽光パネルと組み合わせれば停電が長期化しても使い続けられる

ポータブル電源と太陽光パネルを組み合わせることで、停電が長期化しても継続的に家電や冷却機器を使い続けられます。持ち運び可能なソーラーパネルなら、動く太陽の方角に向けて常に効率的な発電ができるので特におすすめです。

熱中症の原因である太陽の光を利用して、暑さ対策を実施しましょう。

防災グッズでの暑さ対策は水分・塩分・電力の確保がポイント

夏の防災対策では、水分・塩分・電力の確保が重要です。停電や断水でもっとも懸念される問題が熱中症リスクだからです。

近年では、真夏の気象条件はほぼ酷暑であると言って差し支えありません。しかも統計的に台風が最も多い月は8月であり、さらにいつ起こるかわからない大地震が発生する可能性が年々高まりつつあります。

夏の災害発生に備えるなら、熱中症回避に最も効果的な電源確保が欠かせなくなってきています。本記事を参考に、十分な暑さ対策ができれば幸いです。

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