【五類感染症とは】二類との違いは?どんな感染症があるの?

五類感染症 アイキャッチ

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2023年1月27日に同年5月8日から新型コロナウィルスが二類から五類に引き下げられることが決定しました。

ですが、「二類」や「五類」などと言われてもよくわからないという方が大半なのではないでしょうか。

また、「二類」から「五類」になることで私たちの生活にはどのような影響が出てくるか気になっている方もいらっしゃるのでは?

本記事では「五類感染症」とはどのようなものなのか、「二類」と「五類」の違いやそれぞれに該当する感染症、変わることでどうなるのかなど解説していきます。

目次

五類感染症とは

日本では「感染症法」という法律が定められており、この中で感染症を8つの種類に分類しています。

「五類感染症」とはこの8つの分類の中のひとつです。

「感染症法」は感染症を予防し、感染が広範囲に拡がったときに正しい対処ができるように定められた法律であり、ここで分類された8つの種類により、強制的な入院勧告や就業制限など感染拡大を予防するためにとられる措置が異なります。

この8つの分類については以下の表のようになっています。

分類 定義と措置
一類感染症 感染力、り患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症

原則的に入院が勧告され、場合によっては交通制限が発動されます。
二類感染症 感染力、り患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が高い感染症

必要に応じて入院勧告が出され、一定期間食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。
三類感染症 感染力やり患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性は高くないものの、特定の職業に就業することにより感染症の集団発生を起こしうる感染症

一定期間、食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。
四類感染症 人から人への伝染はほとんどないが、動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症

対象となる動物の輸入禁止や検閲強化などの措置が取られます。
五類感染症 国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症
新型インフルエンザ等感染症 人から人に伝染すると認められるが一般に国民が免疫を獲得しておらず、全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症

必要であれば、一類感染症と同様の対処が取られることがあります。
指定感染症 人から人に伝染すると認められ、既知の感染症と症状等が明らかに異なり、その伝染力及びり患した場合の重篤度から危険性が極めて高い感染症

原則一年間に限定して政令で指定され、一類~三類に準じた措置がとられます。
新感染症 既知の感染症の中で、一から三類及び新型インフルエンザ等感染症に分類されないが同等の措置が必要となった感染症(延長含め最長2年)

行政機関による措置はそれぞれの危険性を考慮した上で決められます。

※ 参考:感染症法における分類一覧(令和3年3月3日改正)/京都市HP

※ 「り患」=「病気にかかること」

五類と二類との違いは?

「二類感染症」は、感染力が強く、重症化リスクが低い感染症で、感染拡大を防ぐために、感染者の行動制限や医療機関の対応が必要になる場合があります。

一方の「五類感染症」は、感染力が強く、重症化リスクが高い感染症で、感染力が強いため、感染拡大を防ぐために、感染者の行動制限や医療機関の対応が必要になります。

これだけ見ると、重症化リスクの違いだけのように見えますが、行動制限については、五類感染症の場合は原則として患者への「入院勧告」や患者や濃厚接触者への「行動制限」はできなくなります。現在、それぞれに該当するそのほかの感染症は以下のようなものがあります。

二類 五類
結核

麻疹

狂犬病

天然痘

ペスト

黄熱病

エボラ出血熱

マールブルグ熱

ラッサ熱

クリミア・コンゴ出血熱

ニパウイルス感染症

マールブルグ熱

ラッサ熱

クリミア・コンゴ出血熱

ニパウイルス感染症など
インフルエンザ

ノロウイルス

MRSA

肺炎球菌

腸管出血性大腸菌感染症

病原性大腸菌感染症

クロストリジウム・ディフィシル感染症

レジオネラ症

病原性細菌感染症

病原性真菌感染症

病原性原虫感染症

病原性寄生虫感染症など

五類になると実際はどう変わるの?

二類から五類になると変わる点は以下のようになります。

二類の場合 五類の場合
行動制限など できる できない
医療機関 指定医療機関など限られる 幅広い医療機関で対応可
医療費 全額公費負担 当面は公費負担
感染者報告 全数報告 定点報告
マスク着用 屋内では推奨 個人の判断
ワクチン接種 無料 必要な接種は自己負担なし

それぞれについて見ていきましょう。

行動制限など

「五類」になると、緊急事態宣言、入院勧告・指示、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請など、いままで行われていた行動制限ができなくなります。

医療機関

「二類」の場合は入院の受け入れや診療ができるのは、感染症指定医療機関や発熱外来などの一部の医療機関に限られていました。

「五類」に移行後は幅広い医療機関で対応できるように段階的に移行する方針のようです。

医療費

入院や検査にかかる医療費は現在は全額公費負担で患者の負担はありませんでしたが、「五類」への移行後は原則として一部が自己負担になります。

ただ、受診控えが起きてしまうことなどの懸念があるため、当面は公費での負担を継続しながら段階的に見直していく方針のようです。

感染者報告

これまでは医療機関や保健所に対して感染者数の全数の報告を求めていましたが、「五類」では原則として基幹病院からの定点報告になります。

マスク着用

これまでは屋内でのマスク着用は距離が確保できていて会話をほとんどしない場合を除き、着用が推奨されていましたが、「五類」への移行とあわせて個人の判断にゆだねる方向で検討され、3月13日からはマスクの着用も個人の判断にゆだねることが基本となりました。

ただし、マスクの着用が効果的である場面などについてはマスクの着用を推奨しています。

特に以下のような場合のマスクの着用を推奨しています。

  • 受診時や医療機関・高齢者施設などを訪問するとき
  • 通勤ラッシュ時など混雑した公共交通機関を利用するとき
  • 高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦の方など重症化リスクの高い方が感染拡大時に混雑した場所に行くとき

ワクチン接種

ワクチン接種は予防接種法に基づいて無料での接種が進められてきました。

今後の接種費用の負担をどうするかについては、厚生労働省は専門家で作る分科会で議論を行っていて、ことし4月以降も無料接種を続けるかや対象者をどうするかについては今年度中に結論を示すことにしています。

政府は、必要な接種であれば引き続き自己負担なく受けられるようにするとしています。

まとめ

「二類」や「五類」感染症とは「感染症法」という法律で8種類に分類された感染症の種類の中のひとつです。

「二類」から「五類」になることで行動制限ができなくなったりなどの違いがあります。

医療費などの負担が今後どうなっていくのかが気になるところです。

マスクの着用についての緩和もありましたが、ご自身やご家族の健康を守るためにも、混雑している場所や施設内などではマスクを着用するなど、適切な判断をしていきたいですね。

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この記事を書いた人

コロナ禍の真っただ中で第一子を迎えた事を機に、家族を守っていくためにも感染症や感染症対策についての知識をつけていくことの重要性を痛感しました。
医療従事者の妻から意見を得たり、専門書籍や医療機関の発信情報などを漁り、日々感染症への理解を深めています!

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