風邪・新型コロナ・インフルエンザの 症状の違いは?どう見分けるの?

インフル?コロナ?

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新型コロナウイルス感染症の流行以降は大きな流行を見せていなかったインフルエンザですが、今シーズンは新型コロナとの同時流行が懸念されています。

新型コロナ・インフルエンザのいずれも初期症状だけでは風邪との違いの見分けがつきにくいため

「どういう症状が出たら医療機関を受診したらいいの?」

「どうやって違いを見分けたらいいの?」

などと疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では風邪・新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの症状の違いなどについて解説していきます。

目次

風邪・新型コロナ・インフルエンザの症状・違い

まず、「風邪」とはウイルスや細菌などの病原体によって引き起こされる、上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。

鼻やのどの粘膜から感染するので、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどの痛み、せき、たんなど、鼻やのどの症状が顕著にみられます。

「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスに感染することで発症する感染症です。

一般的な特徴は、38℃以上の急激な発熱があり、関節痛や筋肉痛、倦怠感や悪寒などの全身症状が現れ、鼻みず、せきなどの症状を伴います。

風邪の場合は比較的ゆっくりと症状が出て、4〜5日程度で改善することが多いのに対し、インフルエンザは急激に症状が現れ1週間程度の経過で回復していくことが多いです。

「新型コロナウイルス感染症」は、新型コロナウイルスに感染することで発症する感染症で、ひきはじめは普通の風邪と同様にせきや発熱などがみられます。

症状の現れ方には個人差もありますが、はじめは比較的ゆるやかで、微熱~高熱、せき、関節痛や筋肉痛、頭重感や倦怠感、食欲不振や味覚・嗅覚の異常、といった症状が続いた後、場合によっては急に重症化して肺炎を併発し入院することもあります。

肺炎に進展した人の何割かは集中治療や人工呼吸器が必要になります。

軽症の場合は約1週間で回復していきますが、一方で無症状の人が急激に重症化することもありますので注意が必要です。

インフルエンザの場合は対症療法を中心に発症から48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬を投与して、インフルエンザウイルスが体内で増殖するのを抑えます。

ですが、かぜのウイルスは200種類以上もあり、一部のウイルスを除いて抗ウイルス薬がないため、痛みや不快な症状をやわらげる為の薬品の投与などの対症療法が主な治療方法となります。

新型コロナウイルス感染症においても、現時点では痛みや不快な症状をやわらげる対症療法が中心となっています。

中等症・重症で入院治療となる場合には、抗ウイルス薬や血栓予防の抗凝固薬、免疫の暴走を抑えるステロイド薬などをを適宜投与します。

それぞれの医学的な特徴を以下の表にまとめました。

風邪・新型コロナウイルス・インフルエンザの症状・特徴・違い

風邪 新型コロナ インフルエンザ
病原体 ライノウイルス・コロナウイルス

など
新型コロナウイルス インフルエンザウイルス
感染経路 飛沫感染

接触感染
飛沫感染

接触感染

エアロゾル感染
飛沫感染

接触感染
潜伏期間 2~4日 1~14日(平均5~6日) 2~5日
主な症状 発熱

(37~38℃程度で微熱の場合が多い)

咳・咽頭痛・鼻水
発熱

(37.5℃以上が4日以上続く場合が多い)

筋肉痛・倦怠感・咳・痰・息切れ・味覚障害・嗅覚障害
発熱

(高熱で38℃以上で急激に現れる)

関節痛・筋肉痛・咳・咽頭痛・鼻水
症状の現れ方 ゆるやか ゆるやかで無症状の人もいるが、

急激に重症化

肺炎などを併発することも多い
急激
検査方法 なし PCR検査 抗原検査
治療法 対症療法

(症状に応じた薬品の投与など)
対症療法

(重症の場合ステロイドやレムデシビルなどの投与)
対症療法と

抗インフルエンザ薬の投与

(タミフルやイナビルなど)
治るまでの期間 多くは7日程度 軽症の場合

5~7日程度
多くは7日程度

前述したような症状の違いなどはありますが、「自分に起きている症状は関節痛なのか筋肉痛なのか」「発熱で体がだるいが、これが倦怠感なのか」など、実際のところ素人目では初期症状で判断するのはかなり難しいですよね。

また、潜伏期間の違いについても自分がいつ感染していてたのか、自分が発症するまでの潜伏期間は何日だったかなどと分かるという人は、ほぼ居ないでしょう。

ですから、風邪のような症状や発熱があったら医療機関に相談・受診したり、無理をせずに安静したりすることが大切になってきます。

また、PCR検査や抗原検査を積極的に受けるようにするのも良いでしょう。

感染予防策は?

風邪・新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの感染経路はいずれも「接触感染」や「飛沫感染」が主です。

せきやくしゃみなどで飛散したウイルスや細菌などの病原体を含む飛沫を吸い込んだり、飛沫のついた手で触れたもの・飛沫が付着したものに触れたりすることで感染してしまいます。

自分自身が感染しないためにも、大切な家族や周囲の人に感染さないためにも、それぞれの感染経路と予防策を理解しておくことが大切です。

前項にまとめたように、感染経路は主に接触感染・飛沫感染ですが、これに加えて新型コロナウイルス感染症では空気中に漂う「エアロゾル」による感染の恐れがあります。

それぞれの感染経路については以下にまとめます。

感染経路 経路の内容
飛沫感染 病原体(ウイルスや細菌)が含まれたしぶき(飛沫)が口や鼻に入り込むことで感染する経路です。咳やくしゃみ、会話なんかでも感染します。

特に咳やくしゃみのしぶきは思っている以上に細かく、遠くまで飛散します。その飛散範囲は半径1~2mまで及ぶので

感染者のすぐ近くにいなくても気づかぬうちに病原体を吸いこんでしまい感染症を引き起こす可能性があります。
接触感染 病原体(ウイルスや細菌)に接触してしまうことで感染する経路です。

病原体は目視で確認すことができないので、知らずのうちに感染者の体内から排出された病原体や自然・住環境の中に潜んでいる病原体に触れてしまいます。

その手で鼻や口を触ったり、目をこすったりすることで病原体が侵入し、感染症を引き起こします。

また、けがをしたときには傷口を清潔にしておかないと傷口から血液を通って病原体が侵入し、感染症を引き起こすこともあります。
エアロゾル感染 エアロゾルとは空気中に漂う微小な液体や固体のことです。

換気の悪い室内などで感染者が関谷くしゃみなどをすることで発生することがあります。

エアロゾルを鼻や口から吸いこんでしまうことで、粘膜から病原体が体内に侵入し、感染症を引き起こします。

上記のように、主に「吸い込む」ことと「触れる」ことにより感染してしまいます。

そのため、感染予防には「マスクの着用」「手洗い・うがい」を正しく行うことが有効です。

エアロゾル感染は換気の悪い室内で起こりやすいため、こまめな換気を心がけましょう。

換気の際には空気の流れをつくることが大切ですから、2方向の窓・出入口を開けると良いでしょう。

それでも感染を完全に防ぐことは不可能ですから、上記のことに加えて、不要不急の外出を避ける・「3密」をつくらないようにするなど、できるかぎりの対策をしていくことが大切です。

また、インフルエンザやコロナウイルスに関しては予防接種を受けることも検討してみてください。

3密とは

3密(3つの密)とは、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう中、「密閉」「密集」「密接」からできた感染対策にまつわる言葉です。

「密閉」は換気が出来ていない閉ざされた空間のこと、「密集」は多くの人が同じ場所に集まっている状況のこと、「密接」は近距離で会話や発声がある状況のことを指します。

「密閉」

空気の流れの無い密閉空間ではウイルスが浮遊し続けてしまうため、感染リスクが高くなります。

密閉空間を作らないためにはこまめな換気が重要です。

定期的に窓を開ける・換気扇などの設備を定期的に運転させるなどして、空気を入れ替えるように心がけましょう。

窓を開けて換気をする際は30分に1回以上、数分間程度前回にすることで部屋の空気がすべて外気と入れ替わると言われています。

また、前述したように空気の流れを作るためには2方向の窓と出入口を開けると良いでしょう。

換気扇のフィルターが汚れていたりするとうまく換気が出来ていない場合もありますので、換気設備の点検や掃除など、定期的にメンテナンスすることも大切です。

「密集」

人が密集することによりウイルスが蔓延する可能性が高くなり、感染リスクが高くなります。

たとえ症状が見られなくても保菌している場合もあるので、知らず知らずのうちに周囲の人にうつしてしまったり、逆に周囲のひとからウイルスをもらってしまったりする可能性があります。

そのため、日ごろからソーシャルディスタンスを確保することが大切です。

「ソーシャルディスタンス」も今は大半の方が認識されている言葉かとは思いますが、日本語では「社会的距離」を意味し、人と人との間隔を保つことを指します。

周囲の人とはできるだけ2m程度の間隔を開けるように意識しましょう。

また、スーパーのレジに並ぶ際なども昨今では並ぶ位置を足のマークなどで指定されていることが多いですが、ある場合にはその位置を守って並ぶなど、前に並ぶ人と近づきすぎないように心がけましょう。

「密接」

密接することにより、ウイルスを吸い込む可能性が大きく上がり感染リスクが高くなります。

飛沫感染はくしゃみや咳、会話によって飛散する飛沫を他の人が吸い込むことで感染します。

対面で人と会話するときはマスクを着用するようにしましょう。

マスクはある程度の飛沫を防いでくれるため、感染対策として大いに有効です。

また、食事などマスクを外さなければならない場合は正面に座るのを避け、距離を保ちにくい大人数での会食は控えましょう。

エレベーターや電車など人との距離が近づく場合は会話・携帯電話での通話は慎むよう気を配ることが大切です。

新型コロナとインフルエンザに同時に感染したら?

新型コロナウィルスとインフルエンザの同時流行が懸念されていますが、同時に感染してしまった場合はどうなるのでしょうか。

日本国内ではまだ報告されている症例が少ないのですが、海外での事例では新型コロナウイルス感染症患者全体の0.6%にインフルエンザの感染があり、重症患者では2.2%にインフルエンザの感染があったと報告されています。

参考:Co-infection of SARS-CoV-2 and influenza viruses – NCBI

また、動物実験では新型コロナウイルスとインフルエンザの重複感染は単独感染に比べて杯の損傷が大きかったと報告されています。

参考:Coinfection with influenza A virus enhances SARS-CoV-2 infectivity

上記の内容だけでは「同時感染=重症化リスク」と決めつけることはできませんが、同時感染は避けたいものですよね。

どちらのウイルスにも感染しないためには、やはりそれぞれの感染経路を断つことが大切です。

前述したようなマスクの着用や手洗いうがい、こまめな換気などの感染対策を心がけましょう。

まとめ

今シーズンは新型コロナウイルスとインフルエンザの同時感染が懸念されています。

風邪・新型コロナ・インフルエンザでそれぞれの症状や潜伏期間などの違いはありますが、素人目では判断が難しいですから、風邪の諸症状がみられる際には「ただの風邪」などと油断せず、症状に注意しながら早めに医療機関に相談・受診するようにしましょう。

PCR検査や抗原検査などを行ってみるのも良いでしょう。

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時感染については「重症化リスクがある」と断定はできませんが、「重症化リスクはない」と断定もできませんし、感染しないにこしたことはありません。

風邪も新型コロナもインフルエンザも、「新しい日常」「新しい生活様式」「ニューノーマル」と言われる新型コロナ対策をしていれば、予防可能なはずですので、マスクの着用、手洗い・うがい、こまめな換気など、適切な感染対策を心がけていきましょう。

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この記事を書いた人

コロナ禍の真っただ中で第一子を迎えた事を機に、家族を守っていくためにも感染症や感染症対策についての知識をつけていくことの重要性を痛感しました。
医療従事者の妻から意見を得たり、専門書籍や医療機関の発信情報などを漁り、日々感染症への理解を深めています!

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