水害が多くなってる原因は?水害対策方法&歴史も見てみよう!

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「近年、水害が増えている気がして不安」
「なんで近頃水害が増えているの?原因は何?」
「水害が増えている気がするけど、昔はどうだったのかな?」

このように、最近増えている水害についてお悩みではありませんか?水害は現在、身近な存在になりつつあります。毎年日本のどこかしらで水害があり、他人ごとではないと感じている人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回、水害の原因についてお話しします。水害の原因はなんなのか、対策や水害の歴史まで解説しておりますので、水害にお悩みの方は是非参考にされてください。

目次

水害とは?

水害とは、大雨や台風といった大量の雨で引き起こされる災害をさします。日本だと台風や梅雨の大雨で引き起こされやすい災害と言えますね。

平均1か月の雨の量をこえる量が短時間で降る・台風で激しい雨がザーザー降り続けるというような短い時間で水が増えすぎる現象により、河川の氾濫・山崩れといった災害が起こりますがこれらをまとめて水害と言うわけですね。

水害は大きく3つに分けられます。

水害の種類 解説
土砂災害 土砂災害は集中豪雨などで山や川底の石・土砂がいっきに流れてしまう状態
洪水 洪水の本来の意味は大雨などで水量がとても増えることをさすが、一般的に河川から水があふれてきて氾濫した状態
浸水 浸水は洪水や大雨によっては住宅や農地に水が浸かってしまう状態

どの水害もとても厄介で怖いですね。

水害が起こる原因とは?

そもそも、水害はどうして起こってしまうのでしょうか?水害が起こる原因としてはやはり雨の量が挙げられますが、雨以外の原因として以下が考えられます。

  • 外水氾濫
  • 内水氾濫
  • 水害が起こりやすい地系

どういうことなのか、分けて解説します。

原因①外水氾濫

外水氾濫(がいすいはんらん)とは、大雨などによる多量の雨が原因で河川の氾濫・堤防決壊し市街地に水が流れ込んでしまう現象をさします。

水害にはじわじわと市街地に水が入り浸水していくものもありますが、外水氾濫は河川や堤防の水もいっきに流れ込んでくるため勢いがあるのが特徴です。

河川や堤防に近いエリアほど被害は大きく、勢いもあるため住宅・自動車が水で流されるなどの被害も予想され、土砂も含むのでその分復旧に時間がかかり厄介です。

もっと厄介なのが、市街地では雨が降っていないのに山の方で大雨が降ることで外水氾濫が起きてしまうこともある点です。

例えば市街地ではいつもの日常を送っているのに、山の方で大雨があり山が雨を支えきれなくなって外水氾濫となってしまうと、市街地の人は十分対策を打つ前に大きな被害に見舞われてしまう・逃げ遅れてしまうこともあります。

山の状態なども常に各自治体で観察されていることから全く対策しないまま外水氾濫にあってしまうケースは稀ではありますが、それでも日常が突然非日常になる外水氾濫は凄まじい水害ですから日頃から少しでも意識しておくに越したことはないですね。

原因②内水氾濫

内水氾濫とは、市街地の排水が間に合わない状態をさします。
つまり市街地の排水が間に合わずじわじわと市街地が浸水してしまう状態ですね。
内水氾濫による水害は浸水害と呼ばれることもあります。
そんな内水氾濫は氾濫型と湛水型に分けられますが、氾濫型は河川増水により用水路・下水溝が機能しなくなり少しずつ水が上がってくる状態に対し、湛水型は排水路を河川が逆流して起こります。

2019年に起こった多摩川の水害も湛水型の内水氾濫でしたね。

氾濫型と湛水型の特徴は以下にまとめましたので、ご参考ください。
内水氾濫の種類 どのような特徴がある?
氾濫型 河川の増水で排水の役割がある用水路・下水溝が機能不全になり起こる
短時間の強雨などで雨水の排水能力が追い付かず起こる現象
河川周辺地域でなくても起こる場合がある
河川の増水によらない水害
大雨警報の対象
湛水型 排水路を河川の水が逆流して起こる
河川の水位が高くなり河川周辺の雨水が排水できない状態
堤防の高い河川周辺で起こる
河川の増加に起因する
洪水警報の対象

原因③水害が起こりやすい地系

そもそも水害が起こりやすい地系と言うものがあります。以下にまとめましたので、ご参考ください。

地系 何故水害が起こりやすいか
海岸に近い地帯 【高潮】
満潮時に海面の高さよりも低い土地は、堤防が決壊したときに大被害を受ける可能性があります。
遠浅海岸・湾岸・河口部 【高潮】
遠浅海岸は水深が急に深くなりやすく、湾の奥の土地も高潮の時に水位が上がるため注意が必要です。
沖積地(ちゅうせきち) 【浸水】
約1万年前から現在までに、河川の氾濫といった水害により土砂が堆積した土壌を沖積地と言うのですが、この沖積地は冠水しやすいため注意が必要です。
河川敷 【冠水】
河川流域また河川敷だった土地は、豪雨などで浸水被害が出る危険性があるので注意が必要です。
造成地 【土砂災害】
山地・丘陵地といった斜面に田んぼ・畑などを土を盛り作ったり埋め立てるなどして、住宅建築できる状態にした場所を造成地と呼びますが、こちらは豪雨などで地盤が緩み崩れることもあるので注意が必要です。
扇状地 【土砂災害】
山の間を通る河川が広い平坦地へ出た時に流れが弱まりますが、その時に運ばれた土砂が扇状に堆積しできた場所を扇状地と呼びます。
この扇状地は、山で集中豪雨などが起きた時に土砂流が直撃する恐れがあるため注意が必要です。
山岳地帯 【土砂災害】
高く険しい山がそびえる山岳地帯は、雨の際にがけ崩れの危険性があります。
特に樹木が少ない場であると、土石流についても注意が必要です。

水害が起きやすい・注意が必要な地形ごとに、合った水害対策をおすすめします。

水害が起こりやすい場所ランキング

2008年から2017年までの10年間で、台風や豪雨などの被害額が多かった自治体10位までを紹介します。
1位:茨城県 常総市 1331億
2位:岩手県 岩泉町 440億
3位:岩手県 久慈市 357億
4位:岩手県 宮古市 343億
5位:福島県 郡山市 212億
6位:新潟県 長岡市 206億
7位:長野県 青木村 166億
8位:新潟県 三条市 163億
9位:栃木県 小山市 157億
10位栃木県 栃木市 144億
※右の〇〇奥の数字は被害額です。

水害の原因子供向けの教材を探している方へ

水害の原因を解説しましたが、これを子供にうまく伝えるのは難しい・小学生でもわかる水害の原因を解説しているサイトや動画を知りたいと考えている方へ以下のリンクを紹介します。

水害が起きたらどうなるかなどを子供向けに解説している記事や動画ですので、是非お子さんと一緒にどうぞ。

・森がなくなると、なぜ洪水が起こるのですか?|Gakken キッズネット
・【防災教育】小学生向け動画「洪水から身を守るには」(第1部)|MLIT channel(国土交通省公式Youtube)
・【子供版】(水害編)警戒レベルに関する映像|内閣府防災

近年水害が増えている理由・原因

近年、水害が増えていると感じている方も少なくないのではないでしょうか。実際、水害は増えているのでしょうか?

どうして近年、水害が増えているとされているのか、考えられる理由は2つあります。

  • 温暖化が進んでいることが原因
  • コンクリートやアスファルトで透水性が原因

それぞれ問題が別なので、分けて解説します。

理由①温暖化が進んでいることが原因

何かと話題になる温暖化ですが、実は水害が増えている理由の一つとしてもあげられています。温暖化とは人間の活動により温室効果ガスが大気中に放たれて平均気温が上がってしまう現象をさします。

地球の温度が一斉に上がってしまうことで、海水が膨張したり氷河が溶けてしまったり、または異常気象の原因になってしまうわけですね。
現に、地球温暖化が原因で降水量と洪水発生率が増えているという統計もあります。
もっと詳しく言うと、1976年から1985年の日本では1時間に50mm超えの雨が174回だったのに対し、2008年から2017年では約238回、約1.7倍も増えているのです。
確実に地球温暖化が関わっているとはまだデータが出ていないのが現状ですが、温暖化が降水量を増やしている疑いは外せそうにありません。

短時間で強い雨が降る状況も温暖化による近年の雨事情のひとつ強い雨が短時間で降ると水害リスクも高まりますから、温暖化による水害リスクの増加はまだはっきりしないとはいえ、水害リスク自体は上がっている状況と見て良いでしょう。

理由②コンクリートやアスファルト透水性が水害の原因

都市型水害と言う言葉を耳にしたかたも少なくないのではないでしょうか。

都市型水害とは、コンクリートやアスファルトで固められた道路の透水性の低さにより、排水処理能力の低下で洪水が起きてしまう状態をさします。

地方であれば、自然に囲まれてコンクリートやアスファルトも少なく、雨が降っても地面・地中に水が浸透し排水されていきますよね。
しかし都市であればあるほど自然の場所よりもコンクリートやアスファルトで塗装された箇所が増え、水が排水しづらく水害が起きやすくなってしまうのです。
都市型水害は問題としてもよく取り上げられており、社会問題としても議論されておりますが、だからといってコンクリートやアスファルトを今すぐやめることができないのも事実なので悩ましいですね。
都市型水害はトンネル内が浸水するケースもみられ、気づかず進み車ごと水没し死亡する事故もありますので、コンクリートやアスファルトが多い場所での雨の際は情報をしっかりチェックする・避難場所はどこか確認しておくなど日ごろから備えておくようにしましょう。

水害対策

水害は突然やってくるものです。避けたいと思っていてもタイミングによっては避けられないので、事前にしっかり対策しておきましょう。

水害対策で取り組みたいのは以下になります。

  • ハザードマップを見ておく
  • 避難経路を調べる
  • 天気予報をチェックする癖をつけておく
  • 定期的に家や家周りの点検をする
  • 水害時に必要なアイテムを揃える

それぞれ解説します。

対策①ハザードマップを見ておく

ハザードマップとは簡単に説明すると、避難場所や避難経路・防災関係施設などを表示した地図です。
要は防災マップですね。
各自治体で用意されているハザードマップには、土石流危険渓流・急傾斜地被害想定区域なども表示されていますので、万が一の時のために自分が住んでいる場所はどうか確認しておくようにしましょう。
ただ、マップを見てもよくわからない場合、以下のサイトが便利です。
災害リスク情報を地図に重ねて表示してくれるので、視覚的に確認しておきたい人におすすめします。

対策②避難経路を調べる

万が一水害が起きてから避難経路を調べても、逃げ遅れてしまう恐れがあります。できるだけ生き残れるように、事前に避難経路を調べておきましょう。

余裕がある時にでも、避難場所へ一度歩いてみるなど予行練習しておくのもおすすめです。

対策③天気予報をチェックする癖をつけておく

天気予報では水害が起こりそうな時にお知らせしてくれます。天気予報をチェックする癖をつけておくと事前に対策もでき安心です。

逆にチェックする癖をつけておかないと、ギリギリになるまで気づかず逃げ遅れるという事もあり得ますので、水害対策として日頃から天気予報をチェックする癖をつけておくようにしてください。

また、水害の危険性がある場合は、こまめにチェックすることも大切です。

対策④定期的に家や家周りの点検をする

大雨の時に家が壊れないよう、定期的に家や家の周りを点検しておきましょう。雨戸・瓦・雨どいなど傷んでいないかチェックします。
また、排水がしっかりされるよう排水溝の詰まりもみておきましょう。

対策⑤必要なアイテムを揃える

水害時に便利なアイテムを事前に揃えておくのも大切です。水害時に持っておくと便利なアイテムは以下になります。

アイテム 備えたい理由
避難する際のレインコート 避難するときにレインコートがあると、無駄に体力を奪われずにすむため便利です。
特に雨風は体力を奪ってしまうため、水害に備えるためにも用意しておきましょう。
セパレートタイプがおすすめです。
持ち出し用の防災セット 持ち出し用の防災セットは水害時以外でも使えるので用意しておきましょう。
定期的に必要なものが揃っているか確認し、万が一に備えます。
土嚢 土嚢は床上浸水対策で使えます。
土ではなく、給水ポリマー性の土嚢もありますのでこれからそろえる方はこちらがおすすめです。
給水ポリマー性の土嚢はよく水を吸ってくれるうえ、干すと薄くなり収納時も場所を取りません。
止水板 雨水が流れ込むのを防ぐ水害グッズです。
駅や会社の入り口などに設置する場合が多いですが、必要であれば備えておくのも良いでしょう。
段ボール箱やごみ箱 土嚢がないのに水が家の中に侵入してきた!という場合、段ボールとゴミ袋で急ごしらえの止水板を作れます。
2枚重ねしたゴミ袋に水を入れて段ボールに入れるだけですので簡単です。
ただ思いのほか重いので、持てない場合は小さめの水嚢をいくつも作り設置するようにしましょう。
ガラス飛散防止フィルム 飛来物などで窓ガラスが割れると大惨事です。
惨事を防ぐためにも、ガラス飛散防止フィルムも用意しておきましょう。
脱出用のハンマー 冠水した道路に誤って車で侵入してしまった事故で死者が出てしまったという例もあります。
そうならないためにも、脱出ハンマーを車に用意しておきましょう。
脱出ハンマーはJIS規格に準拠しているものを選ぶとはずれもなく安心です。

揃えられるものから揃えてみてください。

歴史に残る水害

最後に歴史に残る水害を紹介します。

長崎大水害

長崎大水害は昭和57年7月23日、停滞した梅雨前線により翌24日まで総雨量572mmを記録しました。
長与町役場では国観測史上最大の1時間187mmを記録、土砂流・山崩れが各地で多発した記録があります。

死者・行方不明者の数299名、住家被害は39,755戸に登り、崖崩れは4,306箇所・地滑り151か所との記録があります。

2018年西日本豪雨 真備町

真備町は繰り返し水害に見舞われている都市でもあります。
2018年7月、真備町は再び大きな水害に見舞われることになりました。

西日本豪雨では小田川と3支流が決壊、浸水被害が発生。
地区4分の1が浸水し51名が亡くなる大惨事となりました。

九州北部豪雨

2017年7月、九州地方を襲った九州北部豪雨が福岡県と大分県を襲いました。
死者37名・行方不明者4名の大規模な水害となり、災害直後2,000名を超える住人が避難生活を送ることとなりました。

2019年の大型台風19号

2019年、日本を非常に大型の台風19号が襲いました。
東日本を中心に被害をもたらした19号ですが、床上浸水8129棟・床下浸水2万2892棟と言われており、河川氾濫の数71河川142か所、大きな爪痕を残しました。

武蔵小杉ではまさに都市型水害の影響で改札が冠水・駅ビルが浸水し一部タワーマンションでは水が流れ込んだ影響で停電が起きるなどの被害もありました。

佐賀県武雄市

2021年8月、停滞する前線の影響により西日本は大雨に見舞われました。
佐賀県武雄市でも大雨の浸水で最大避難者677名、浸水家屋は1,756棟に登っています。

ドイツ洪水

日本以外の水害事例も紹介します。
ドイツでは2021年7月14日、大規模な洪水に見舞われました。
場所はラインラント・プファルツ州、ノルトライン・ヴェストファーレン州です。
183人が死亡、150人が行方不明となった大規模な水害は歴史に残る水害のひとつです。

カナダ西部での水害

2021年カナダのバンクーバーでは11月14日から15日にかけ平年1ヶ月分に相当する雨(最大250mm)が降りました。
幹線道路での土砂災害が相次ぎ、約300人が道路上で動けない状態となり、1人死亡・4人が行方不明と報道がありました。

インドとバングラデシュでの洪水

2022年、インドとバングラデシュでの雨季では大雨・洪水・土砂崩れが相次ぎ、合わせて60名が死亡したとの報道がありました。
モンスーンの季節に入ると毎年死者が出るとのこと。

中国

2022年6月に、中国の南部では記録的な大雨で500万人以上が被災したと報道がありました。
6つの省・自治区を中心に断続的に降る大雨の降水量は621mm、1961年以来で最も降水量が多いとされています。

まとめ:水害が起きる原因を知って対策を立てていこう!

日本は元々水害が起きやすい地系でもあるため、水害(風水害)とは切っても切れません。
ですので、なおのこと水害が起きる原因を知って対策を建てることが大切です。

水害が多い国だけあって水害のフィードバックもされておりますから、過去を活かし今後に備えていきましょう。
「ふつうに暮らしていけば水害なんてあるわけない」
と考えていても、突然やってくるのが災害です。

万が一の時にしっかり動けるよう、是非本記事を参考にされてください。

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この記事を書いた人

幼少期に親族が水災に巻き込まれた経験があります。その出来事が私の人生に大きな影響を与え、環境保護へのきっかけとなりました。
このような経験を通じて、被災者やその家族に寄り添いながら、水災の現状や対策について専門的な記事を執筆しています!

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