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土砂崩れとは?起きやすい場所や原因、対策・備えるものを解説
土砂崩れとは?起きやすい場所や原因、対策・備えるものを解説
山が多く、台風や大雨、地震が多い日本は、土砂崩れが発生しやすい環境になります。家を丸ごと潰すほどの土砂崩れの破壊力はとても怖く、できればより安全な土地に住みたいものです。
ニュースでたびたび土砂崩れは取り上げられますが、いざ自分が被害に遭ったときにどうしたらいいか考えたことはありますでしょうか? 対岸の火になっていて他人事になっていた方も多いかもしれません。
そこで本記事では、土砂崩れの災害内容や起きやすい場所・原因について詳しく解説していきます。土砂崩れに対して取るべき対策もお伝えするのでぜひ参考にしてください。
土砂崩れはどのような災害?日本では起きやすい?
土砂崩れは、地震や豪雨などによって山の斜面の一部が急に崩れ落ちる現象です。山崩れや崖崩れなどとも呼ばれます。
大量の雨が降ると、斜面の土砂の間に水がたまり、土砂粒子同士の摩擦が小さくなり崩れやすくなります。地震や地下水が原因となって発生する場合も多いです。
日本は急な傾斜をしている山が多く、地質が崩れやすく不安定な状態です。日本では以下のような理由で、土砂崩れが起きやすくなっています。
・活火山が広く分布している
・地震が多い
・台風が多い
活火山が広く分布している
日本には現在111か所に活火山があります。活火山とは現在噴火している火山を指し、反対に噴火していない火山は休火山や死火山と呼びます。
火山が噴火するときに降り積もった火山灰は土石流の原因です。全国に広く存在しているため、土砂崩れが発生しやすい地域が多くなります。
地震が多い
日本は太平洋プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートの4つの岩盤(プレート)上にあります。陸地は海底に引き込まれるため、プレートの境目では頻繁に地震が発生します。このような土地柄にあるため、日本は世界の中でも地震の多い国です。
地震の頻度が多いと、その分崩れやすい地質を刺激する頻度が多くなり土砂崩れが発生しやすくなるのです。
台風が多い
日本では8月や9月に台風が多いです。その理由は太平洋高気圧や偏西風の影響で8月~9月にかけて日本に上陸しやすくなっているからです。
日本は台風の通り道になることが多く、集中豪雨に見舞われるケースもあります。大量の雨水や、雨水により増水した川の氾濫により、もろい地盤が崩れやすくなります。
土砂崩れは土砂災害のひとつ
ここで一旦、土砂災害について整理していきたいと思います。土砂災害には、大きく以下の3つがあります。
・がけ崩れ
・土石流
・地すべり
詳細は以下の通りです。
がけ崩れ
がけ崩れとは、地震や豪雨により地盤が緩み、急な斜面が突然崩れ落ちる現象です。突然、大量の土砂が勢いよく落ちてくるため、民家の周辺で発生してしまうと逃げ遅れてしまう方も多くなります。その結果として、たくさんの命を奪うことになるでしょう。
傾斜があったり水が溜まりやすかったりする断層の近くは、がけ崩れが起きやすいです。過去に起きた場所はさらに注意する必要があります。
がけ崩れは文字通り、がけが崩れることに対して、土砂崩れは岩や土が落ちることと意味が厳密に言うと異なります。しかし、それぞれ同じ意味で使われる場合が多いです。がけには岩や土が含まれているため、区別する方が難しいと言えるでしょう。
土石流
土石流とは、雨や集中豪雨のときに山間部に貯まった土砂が一気に崩れて、下流に向かって流される現象です。速度は時速20km~40kmで、破壊力が甚大。民間や田畑を押し流し、一気に飲み込みます。
日本では梅雨や台風の時期によく起きます。山から流れてくる勾配の急な谷川で、川岸や川の上流に崩れやすい土砂が多い場所には注意が必要です。
がけ崩れと同じように、過去に土石流の起きた渓流の付近は再度起きやすいですし、雪どけ水が原因で起こる場合もあります。
地すべり
地すべりとは、比較的緩やかな斜面において地盤が広範囲にすべり落ちていく現象です。雨や地下水の影響で地面が大きなかたまり(家や畑なども)のまま流れていきます。
動きのスピードは基本的には目では分からず、1つの場所で何十年にもわたって移動する場合もあります。それとは反対に、地震で一気に加速して動く場合もあるため、一概には言えません。
とにかく移動する範囲が広大です。ひとたび発生すると人家、道路、田畑などに大きな被害を与えるほか、川をせき止めて洪水の原因になる可能性もあります。
地すべりが発生する前触れとして、亀裂や樹木が傾くといった現象が見られます。避難するタイミングを事前に察知できるため、安心できるのではないでしょうか。
土砂崩れが起きやすい場所や前兆とは?
土砂崩れが起きたときにうまく逃げられるといいですが、個人の努力でどうにかなるものでは決してありません。事前に避難できるため、土砂崩れが発生しやすい場所や前兆を知っておくのがおすすめです。
まず、土砂崩れが起きやすいのは以下の場所です。
いかにも土砂崩れの影響を受けやすい場所です。都心部には上記のような場所はほとんどありませんが、地方には多数存在します。自分が住んでなくても、実家が該当する場所にあるといった方もいるのではないでしょうか。
また、土砂災害の種類と前兆をまとめたのが以下の表です。
引用:https://www.pref.kagoshima.jp/kohokocho/kouhoushi/kohosi/kawara/h28/documents/59393_20170530115816-1.pdf
それぞれチェックすると異常だと気づくはずです。記載した内容がすべてではありませんが、一つでも前兆を感じ取ったらすぐに避難する必要があります。
土砂崩れのメカニズム
繰り返しになりますが、土砂崩れとは山の斜面表層の土砂や岩石が滑り落ちる現象です。斜面の表層は重力で常に下に引っ張られていますが、地盤の摩擦力によって現状の位置をキープしています。
しかし、大雨や地震などで摩擦力が弱まり重力を下回ると、地層の表層の一部が崩れ落ちていくのです。
また、森林伐採が進んでいる山間部では、土砂崩れが多くなります。樹木の多い山であれば、土壌層を繋ぎ止めをしやすくなりますが、減ってしまうとストッパーが無くなってしまうからです。
実は日本の森林面積は50年前から変わっておりません。それにもかかわらず、土砂崩れによる事故は増えているのです。
なぜか?人工林を管理できずに樹木がしっかりと育たなくなくなっています。
そのため、根っこが水を吸いきれずに土砂崩れが発生しやすくなるのです。異常気象で大雨の日が、昔よりも相対的に増えているのも原因のひとつです。
起きてからでは遅い|土砂崩れの対策・備えるもの5選
最後に、土砂崩れの対策や備えるものを5選ご紹介します。以下5点は、今の段階から必ず押さえておきましょう。
・土砂災害警戒区域かどうかチェックする
・避難場所や逃げ道を確認する
・非常品を準備しておく
・土砂崩れの保険に加入する
・避難するタイミングを決めておく
土砂災害警戒区域かどうかチェックする
土砂崩れの起きやすい場所は、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されています。都内だけでも1,500か所は土砂崩れのリスクがあるとされているため、油断はできません。
国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」を活用すると、全国の土砂崩れの起きやすいエリアを確認できます。
○ハザードマップポータルサイト
お住まいの地域を入力して見てみましょう。「うちは田舎じゃないから心配いらない」と思っていてもピンポイントでイエローゾーンやレッドゾーンがあるため、要確認です。
避難場所や逃げ道を確認する
自宅周辺があまりにも危険なエリアであれば引っ越しをするのがベストです。賃貸であれば時期を見てできるかもしれませんが、持ち家だと簡単には行きません。
しかし、少なくても避難場所と逃げ道は前もって見ておく必要はあります。近くの学校や公民館だったりと地域によって異なります。
土砂崩れが起きると、避難場所や避難経路が潰されてしまう可能性もあるため、いくつか用意しておくといいでしょう。
万が一のときもスムーズに逃げられるように心の準備は必要です。
非常品を準備しておく
災害時は安全な場所に避難して生活することになります。非常時に持ち出すべきものをあらかじめ準備しておくと、便利です。
一覧にまとめた表が以下です。
これらをリュックなどに入れておくと、緊急時に慌てなくて済みます。状況にもよりますが、財布やスマホ、充電器、衣類関連を持ち運びできると困りません。
ピースアップであれば、このような防災に必要なグッズをまとめて用意できます。11,000円(税込)以上購入すると、送料無料です。
あとは災害時に必要なものをオンライン上で購入することも可能です。食料品も入ってるため、一家にひとつあると安心できます。
土砂崩れの保険に加入する
土砂崩れに遭ってしまうと家を壊される場合がありますが、保険に入っていれば安心です。土砂災害では火災保険が適用されます。火災保険と聞くと火事が対象だと思ってしまいますが、水災や風災などのリスクもしっかりカバーしているのです。
土砂崩れは水災として判断されます。水災というと、大雨、ゲリラ豪雨による洪水や床下浸水が多いですが、土砂災害も対象としています。
ただし、水災はオプションとなる場合が多いため、契約時には気をつけましょう。
避難するタイミングを決めておく
お住まいが土砂災害警戒区域(イエローゾーン)か土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に該当していれば、雨が降り出したら注意しましょう。土砂災害警告情報がテレビやネットで確認可能です。
警戒レベル4以上であれば、迷わず避難します。
イエローゾーンやレッドゾーンから外れていても「土砂崩れが起きやすい場所や前兆とは?」でご紹介した前兆が見られているのであれば、避難する一つの目安です。
テレビやネットなどの媒体で正しい情報を拾って適切な判断をするようにしましょう。家族全員と連携をしっかり取って安全に避難してくださいね。
まとめ
6月〜8月にかけて土砂崩れに関する事故をよくニュースで見かけますが、映像を見るたびに身の毛がよだつ思いがします。土砂崩れのリスクが非常に低い立地に住んでいる方からすると、他人事で済ませられるでしょう。
しかし、いざ自分が当事者になると命の危険すらあることです。
まずは自宅付近が安全地帯なのかをハザードマップで確認して、リスクが有るなら引っ越しを最優先で検討しましょう。引っ越し先を決めるときもハザードマップを利用するのがおすすめです。
すぐに引っ越しができない方やするつもりがない方は、土砂崩れに備えて避難場所やルート確認、非常品の準備、火災保険の加入、避難するタイミングの決定をしてください。
本記事が皆さんのリスク管理の一助を担えてたら嬉しい限りです。