雹に屋根がやられた!被害を受けたら保険の対象になる?

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近年は異常気候で竜巻・大型の台風・雹(ひょう)などによる家屋の被害が増加しています。

雹(ひょう)は非常に発達した積乱雲から降ってきた直径5mm以上の氷の塊です。

大きなものではソフトボールほどの大きさにもなる大量の氷の塊が空から降ってくるため屋根に傷やへこみついてしまうこともあるでしょう。

あられは雹より小さく5mm未満のものとなっています。

雹によって穴があいたり、一部損傷した屋根やソーラーパネルなどは保険で補償されるのでしょうか?

この記事では屋根の修理費用相場、保険金の受け取れる条件・申請の方法まで解説していきます。

目次

雹で屋根がやられた場合、火災保険は使える?

雹(ひょう)による家屋の被害は、火災保険の「風災、ひょう(雹)災、雪災」補償を選択していれば、その被害が補償されます。

また、被害の発生により生じた臨時に発生する復旧費用や、一時的な仮住まい費用といった損害に伴う費用まで補償する「費用保険」といった補償も選択されていれば、損害保険金とは別に、それら諸費用についても保険金が支払われます(上限があります)。

雹(ひょう)や雪といった自然災害により家屋に損害が出たときは、自分の契約している火災保険の補償内容を確認したり、損害保険会社に補償内容を確認するなど、なるべく早めに手続きをすすめましょう。

ちなみに、風災、雹(ひょう)災、雪災といった補償は火災保険の保険料の大きな割合を占めるため補償を選択されない方も多いですが、火災保険を検討するときは何種類かの見積りを入手して慎重に検討されますことをおすすめします。

下記のように、住まいに関する損害は火事以外でも火災保険から保険金が支払われる場合があります。

ちょっとした事故でも建物や家財に損害が発生したときは、念のためご契約されている保険会社に相談してみましょう。

屋根修理について

一戸建ての購入から年月が経てば、建物のどこかしらを修理必要が必ず出てくると思います。

特に屋根は、常に雨や風にさらされている箇所であるため、劣化が早い部分です。

修理する際には、もちろん費用がかかります。

ただし、火災保険を適用できれば、費用を無料にできる可能性があります。

火災保険は、火災だけではなく、風水災などの自然災害や、盗難などによって、「建物」や「家財」などに生じた損害を補償する保険です。

屋根修理の費用相場

もちろん、修理をする規模にもよりますが多くの場合、20万円〜30万円程度です。

  • 瓦屋根の部分修理:15万~30万円
  • スレート屋根の部分修理:15万~30万円
  • 屋根棟の修理:20万~35万円
  • 屋根の雨どいの修理:10万~30万円
  • 屋根の雨漏り修理:20万~35万円
  • スレート屋根の部分修理:15万~30万円
  • 屋根棟の修理:20万~35万円
  • 屋根の塗り替え:35万~60万円
  • 屋根の全体改修:120万~200万円

屋根全体の修理が必要な場合には、200万程度と高額な費用がかかる場合もありますが、大体20万円〜30万円程度の相場であると言えます。

屋根の素材や修理工程、屋根の面積によっても金額は前後するため、費用には多少の幅があると考えましょう。

屋根修理の費用を火災保険を使って無料にできる条件

屋根を修理する際に保険を利用することができれば、修理費用を「無料」「0円」にできます。

ただし、満たさなければならない条件があります。

  • 風災・雹(ひょう)災・雪災だと認められること
  • 屋根修理が必要になってから3年以内であること
  • 屋根修理の費用が20万円以上であること(特約次第)

以上の条件を全て満たした場合のみ、屋根修理に火災保険を利用できます。

それぞれについて詳しく解説します。

風災・雹(ひょう)災・雪災だと認められること(経年劣化・地震の影響ではないこと)

ひとくちに「災害」と言ってもさまざまな種類があります。

とりわけ屋根修理に関連があるものは、風災・雹(ひょう)災・雪災でしょう。

このいずれかに該当することにより、火災保険を利用できる条件の1つを満たします。

風災とは

風による災害です。

台風や竜巻によって、想定される以上の強さの風が吹いた場合、屋根は損傷してしまうことがあります。

その場合、「風災」と認定される可能性があります。

なお、台風で自宅の瓦が飛んでしまい、隣の家を傷つけてしまったという場合には、隣の家の火災保険で補償されることがあります。

自分の家の瓦が原因であっても、台風や突風等の自然現象によるもので管理上の過失がなければ損害賠償責任は生じません。

雹(ひょう)災とは

雹(ひょう)が降ることによる災害を指します。

台風や大雪と比べれば、日本では珍しい災害ですが、珍しいからこそ起こってしまうと大きな被害をもたらすこともあるのが雹(ひょう)災です。

雹(ひょう)災が降ったら、すぐに屋根や雨どいに被害がないか確認するようにしましょう。

雪災とは

大雪が降ることによる災害です。

大量の雪が降ることによって、屋根がその重さに耐えきれず、損傷してしまうことがあります。

想定以上の積雪によって、屋根の一部や雨どいが曲がってしまったり、割れてしまったりすることはよくあります。

これらの災害が起きた場合、以下のような屋根の損傷が生じることがあります。

  • 雨漏り
  • 棟板金の浮き
  • クギ・ビスなどの浮き
  • 屋根材のズレや割れ
  • 雨どいの破損

棟板金の浮きがあれば、「風災」と認定されやすいそうです。

また、雨どいは大雪やひょうによる損傷として認められやすい損傷箇所です。

ただし、入っている保険によっては、災害による補償内容も異なるので、改めて契約内容についても確認しておきましょう。

屋根修理が必要になってから3年以内であること

被災してから3年以内に屋根を修理した場合のみ、火災保険を利用できます。(保険法第95条(消滅時効)

例えば、「5年前の大雪によって受けた被害を修理する工事」には、火災保険を利用することはできません。

屋根について心配がある場合には、保険適用の観点からも、3年間の期限があるため、早めの修理を検討しましょう。

屋根修理の費用が20万円以上であること(特約次第)

火災保険の中には、以上の自然災害が原因であることに加えて、損害の総額が20万円以上であることも条件とされているものがあります。

損害総額が20万円以上の場合、保険金を上限額まで損害額を受け取ることが出来るというシステムです。

そもそも損害総額とは、修理において発生する修理費と全く同じと考えて良いので、「損害総額=修理工事費用の見積もり」と考えて良いでしょう。

例えば、損害額が22万円の場合は保険金として22万円を全て受け取ることが出来ます。

一方で、損害額が20万円に満たない19万円の場合には、保険金を1円も受け取ることが出来ません。

部分的な屋根の工事の場合は20万円に満たないことがあります。

ただ、屋根の修理工事は「足場工事」をする必要がある場合がほとんどであるため、足場工事の費用(10万円程度〜)も含めた屋根修理費用を保険会社に請求するようにしましょう。

また、ご自身が加入している保険がフランチャイズ方式なのか免責方式なのか確認しておきましょう。

ソーラーパネルの被害にも火災保険が適用される

ソーラーパネルは太陽がよく当たる屋根などに設置してあることが多いですが、そのほとんどはむき出しの状態ですので、外の気象状況などによって絶えず危険にさらされています。

屋根そのものではないので、何らかのアクシデントで故障しても保険の対象にはならないと思っている人も多いですが、実は家屋の付随物として扱われ、自然災害や不意の事故などの補償に対応した火災保険ならば故障被害のときには保険金の支給対象になるのです。

火災保険の補償対象は建物と家財

ソーラーパネルは建物として補償される。

そもそも火災保険の補償対象となるのは建物と家財で、次の3つの場合に分けられます。

建物のみの補償

家そのものの補償で、燃えてしまったときはもちろん、壁や窓ガラス、備え付けの給湯器などが災害で被害にあったときも補償の対象となります。

家財のみの補償

家の中にある家具や家電、服飾品や宝物といった個人の持ち物など、おもに動かせる動産のことを家財といいます。

建物と家財の補償

建物だけの補償だと、もし火災などの災害にあって全焼などの被害が出ると、失った動産にまでかけられる費用が足りなくなってしまいます。

前と同じ状態に戻すためには建物の補償と家財の補償のどちらにも加入しておくことが理想です。

ソーラーパネルは建物として補償される

ソーラーパネルは家の屋根に設置してあることが多く、一度取り付けたら外すことはほとんどないでしょう。

そのため、家の一部とみなされ、火災保険では建物として補償されます。

総合的に家の補償をしてくれる火災保険であれば、建物が災害や不測の事故にあって壊れたり、泥棒被害にあって壁や窓を壊されたりしたときには修理費として保険金を請求することができます。

ソーラーパネルが雷の被害にあったり、台風で飛んできたものにぶつかって壊れてしまったりというときには、火災保険の建物補償で補償されます。

ただし、初めからついていたものではないときは、その家全体の評価の中にソーラーパネルが入っていないため、補償の対象外になってしまうことがあります。

後からソーラーパネルを増設したときは、必ず保険の見直しをするようにしましょう。

雨どい修理にも火災保険が使える

雨どいが破損してしまった原因によってはその修理代金について火災保険で補償を受けられる場合があります。

雹(ひょう)や雪、台風などの自然災害を原因としたものについては火災保険の補償対象となる場合が多いですが、契約内容などによっては対象外となることもあるので、こちらも保険会社に確認してみるとよいでしょう。

火災保険で補償されるのは主に以下の内容です。

もちろん、契約していない内容については補償を受けることはできないので注意してください。

補償内容 保険金が支払われるケース
火災、落雷、爆発 ・火災、落雷、爆発などにより建物および家財に損害が出たケース
風災、雹(ひょう)災、雪災 ・風災、雹(ひょう)災、雪災などにより建物および家財に損害が出たケース
水災 ・台風や豪雨などで洪水や土砂崩れが発生し、建物および家財に損害が出たケース
水濡れ ・給排水設備の事故、ほかの部屋で起きた水漏れなどに生じて建物および家財に損害が出たケース
物体の落下、飛来・衝突 ・石が飛んできてガラスが割れた、家の塀に車が突っ込みそのまま当て逃げされたなど、外部からの飛来や衝突で損害を受けたケース。
盗難・盗難による破損 ・強盗や窃盗により家財が盗まれたケース。また、建物および家財に損害が出たケース
偶然の事故による破損 ・偶然の事故や不注意などにより建物および家財に損害が出たケース

保険会社が保険金を支払わないケース(免責事項)

ほぼ、全ての保険会社において、保険金を支払う対象と判断するための前提条件が設定されています。

以下でそれぞれ詳しく解説します。

①修理費用が20万円以下(特約次第)

上述でも記載の通り、20万円以下の修理費用だった場合には、保険金を1円も受け取ることが出来ず、自費での工事になります。

ただし、屋根の修理工事の場合は、足場を組むことがほとんどです。

結果として、申請する修理費用は20万円を超えることがほとんどでしょう。

②風速20メートル以上

屋根の損傷が、風速20メートル以上の風が原因であると認められなければ、火災保険が受理されない可能性があります。

ただし、過去に台風が上陸した日を遡れば、風速は20メートルをほぼ超えています。

そのため、風災による損傷だと見込まれるものに関しては、風速20メートルの条件で、ほぼほぼ保険の適用はされるそうです。

③経年劣化

屋根や外壁等の見た目が明らかに劣化している場合、災害による損傷ではなく、経年劣化であるとみなされることがあります。

経年劣化とみなされてしまった場合には、火災保険は適用されず、修理費用は自己負担となります。

このような事態を防ぐためにも、災害に見舞われた際には、すぐに修理を検討するとよいでしょう。

時間が経つにつれて、経年劣化とみなされる可能性も高まります。

屋根がやられた場合の火災保険の申請の流れ

ここまで、屋根修理などにおける火災保険の申請の条件等を解説しました。

次は、実際に申請する際の流れを確認しましょう。

  1. 保険会社に問い合わせて申請書類を入手
  2. 修理業者から保険金の請求に必要な書類をもらい、提出
  3. 保険会社による現場調査・審査
  4. 申請の受理と保険金の支払い

①保険会社に問い合わせて申請書類を入手

最初にやるべきことは、契約している保険会社と連絡を取ることです。

問い合わせて、必要書類を送付してもらいましょう。

保険金請求書や事故状況説明書が保険会社から送られてきます。

問い合わせの際に、日時や被害状況をできるだけ詳しく伝えると、その後のやり取りをスムーズに進められます。

できる限り迅速に連絡すべきですが、被害にあってから日が経っていても、正確に答えられるようメモしておきましょう。

②修理業者から保険金の請求に必要な書類をもらい、提出

保険会社から必要書類の送付を依頼しつつ、屋根修理の工事業者への現地調査依頼と、見積もり依頼を行いましょう。

見積もりに関しては、基本的に複数社に依頼してください。

修理にかかる費用はそれぞれの業者によって異なりますし、火災保険申請の実績の有無、担当者の雰囲気など、さまざまな要素を比較して選ぶとよいでしょう。

また、事前に火災保険の申請を考えていることを伝えると、それを前提に現地調査や見積もりの作成を行ってくれるので、必ず伝えるようにしましょう。

また、火災保険の申請時に見積書と共に必要になるのが、被災した箇所の写真です。必ず受け取りましょう。

申請時に必要な書類は「保険金請求書」「事故状況説明書」「工事の見積書」「被災箇所の写真」の4点です。

全てそろったら、保険会社に送付してください。

③保険会社による現場調査・審査

申請後、保険会社から保険鑑定人が派遣されることがあります。

派遣の目的は、申請の内容に誤りがないか確認するためです。

保険金詐欺やトラブルを防止するために派遣されるので、できる限り協力しましょう。

鑑定結果に問題がなければ、保険金の支給とその金額が決定されます。

④申請の受理と保険金の支払い

③までを問題なく進めることができたなら、実際に保険金が支払われることになります。

原則、 保険金の支払いは、請求手続きが完了した日から起算して30日以内に支払われます。

ただし、大規模な災害が起きた際には、火災保険の申請や支払い手続きが集中します。

そのため、30日間以上に時間がかかる場合もあるので、注意しておきましょう。

まとめ

結論、基本的には災害による損傷が起こった場合、屋根の修理に火災保険を利用できます。

ただし、保険を利用するにはいくつか条件があるため、申請の際には、ご自宅が条件を満たしているのか確認しましょう。

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この記事を書いた人

突発的に起こる雹など風災のついて、長年保険会社で勤めてきた知識を活用し、災害軽減と発生後のリスク管理に重き焦点を当てた記事を提供していきます!

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