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防災と減災の違いは?すべき取り組み・対策を徹底解説!
防災と減災は、どちらも災害への備えを意味する言葉になりますが、『防災』と『減災』それぞれに違った意味合いがあります。
防災とは、自然災害を未然に防いだり、災害による被害を防ぐための備えです。
一方減災は、災害の被害を最小限に抑えるための備えを意味します。
防災と減災は似ているようで違いますよね。
この記事ではさらに詳しくそれぞれの違い、すべき取り組み・対策について解説していきます。
減災でとにかく重要なのは、「公助」「自助」「共助」の円滑な連携です。
特に自分自身や家族の身を守るため、また地域の人々と助け合うために、日頃から災害に備える決め事など事前対策を行っておくことが防災 減災に重要です。
防災 減災について
そもそも、防災・減災とは具体的にどのようなことなのかご存じでしょうか?
防災とは、一般的に知られている災害対策のことです。
文字通り、災害を未然に防ぐためにあらかじめ準備することを指します。
例えば、川の氾濫や津波を想定した「防波堤」「堤防」の設置は、防災に当てはまります。
なるべく災害による被害を0に近づけることが防災の役目ということですね。
一方で、減災とは、「災害による被害をできる限り最小限にすること」を指します。
被災生活を想定してあらかじめ備蓄しておく、企業であればバックアップシステムを導入して災害時であってもデータを守れるようにするなど、災害の影響を受けることを前提として対策を進めていくのが減災です。
例えば、緊急で台風の対策をしなければならない状況と仮定したときに、
・強風で飛ばされる恐れがある植木鉢などは、風雨が強くなる前に家の中に入れておく。
・物が飛んで来て窓ガラスが割れることを防ぐため、窓に雨戸やシャッターがあれば下ろす、窓の鍵を閉め、窓ガラスに養生テープや飛散防止フィルムを貼る。
・台風による停電や断水に備え、懐中電灯、モバイルバッテリーの用意、生活用水と飲料用水の用意をする。
これらは台風に対する減災対策といえます。
また、近年は企業でも避難訓練を実施するケースが増えていますよね。
従業員及び会社を守るための取り組みとして、企業での避難訓練の重要性が再認識されてきているのです。
こちらも減災の対策といえるでしょう。
かつては、「防災」の考え方に沿って対策を行うことが主流でした。
しかし、過去の大災害の影響により、被害を0にすることは難しいと判断され、現在では「減災」の考え方が主流となってきています。
実際、今後発生する可能性が高いといわれている大災害は、防災で完全に被害を防ぐことは難しいでしょう。
そのため、「災害に巻き込まれる」「被災する」といったシーンを想定して、その上で減災対策を進めていく必要があるのです。
だからといって、防災が完全に不要というわけではありません。
回避できる災害は積極的に回避していけるよう、「対策可能なこと」は徹底していく必要があります。
そのため、防災も減災も必要な災害対策といえるのです。
防災とは
防災とは災害被害を防ぐための備えです。
防災は、地震や水害といった自然災害を未然に防ぐ、または災害による被害を防ぐための備えを意味します。
災害による被害をできるだけゼロに近づけるため、あらかじめ想定した被害に対するさまざまな防災への取り組みを行ないます。
減災とは
減災とは災害被害を最小限に抑えるための備えです。
減災とは、1995年に発生した阪神淡路大震災の経験から生まれた取り組みです。
「災害、または災害による被害は生じるもの」という考えを前提とし、その被害を最小限に抑えるために備える事前対策です。
阪神淡路大震災や東日本大震災の経験から、被害想定を超越した大災害が発生した場合、防災による備えが機能しなくなる、または十分でないという問題に直面し、被害を完全に防ぐことは不可能であることが明白になりました。
また、自然災害を完全に予測することは、現代の科学技術では困難を極めます。
阪神淡路大震災や東日本大震災以降は、これまでの防災意識や取り組みの問題点を補うため、より合理的で現実的な減災が重要視されるようになったのです。
基本概念の自助・共助・公助
災害被害をできるだけ軽減するためには ・個人や家族一人ひとりが自分の身を守る『自助』
・企業や町内会や事業所など、地域や身近な人々で助け合う『共助』
・行政や消防・警察・自衛隊など、国が行う『公助』
以上の3つがそれぞれ機能し、円滑に連携することが防災 減災に大切です。
上記の中で最も重要とされるのはやはり何より自助であり、災害発生時にはまず自分の身を守ることができなければ他者と協力する共助が行えません。
「共助」とは、自分や小さな共助である家族だけでなく、企業、町内会・自治会などの小さな地域コミュニティ単位で防災としての助け合い体制を構築する、また災害発生時に実際に助け合うことを言います。
また災害発生時は人命救助など行政が公助を行いますが、行政の対応力を上回る大規模な災害が発生したり、行政自体が被災したり場合は行政機能が麻痺するため、安全を確保するためには公助だけに頼るのではなく、自助・共助に十分に取り組むことも重要です。
防災と減災の取り組みと対策
個人・家庭でできる防災 減災の取り組みとして、それぞれの対策方法についてくわしく解説します。
①自助と共助
前述のとおり、自助とは自身の身を守ることで、共助は地域や身近にいる人同士で助け合うことを意味します。
行政からの援助である公助も重要ですが、支援が行き届くまで時間がかかってしまう可能性があります。
災害発生時においては、1秒の遅れが命取りとなるため、減災の大事なポイントになります。
「自分の身を守るためにできること」「家族でできること」「近隣住民とできること」を考えておくことが自助・共助による防災減災につながります。
②地域の避難場所や危険区域の確認
各自治体や公民館で配布されている「防災マップ」は、住んでいる地域の避難場所や災害が発生したときの様子など、災害時に必要な情報が掲載されています。
家族で確認しておきましょう。
自治体ホームページでも閲覧が可能です。
また、内閣府の「防災情報のページ」から、地震の際の地面のゆれやすさを表した「ゆれやすさマップ」もあわせて確認しておきましょう。
自宅だけでなく、勤務先や子供の学校などもチェックしておくことをおすすめします。
※津波、土砂災害、火山噴火など、各地域ごとに災害の種類によって安全な避難場所が異なります。
それぞれの災害をイメージして、どのように行動すれば安全に避難できるか家族で考えて防災対策をしましょう。
③地震に強い家にするための対策
地震が起きたときの被害の大きさは、自宅がどのくらいの揺れに耐えることができるのかによって変わります。
まずは自宅が新耐震基準以降に建てられたものかどうかを確認しましょう。
昭和56年6月以前の家ならば、古い耐震基準のもとに建てられています。
必ず耐震診断を受け、強度が不十分なところがあれば改修や補強をしましょう。
昭和56年6月から施行された新耐震基準に基づいて建てられた家であっても、地震に耐えられる家というわけではありません。地震による揺れが大きければ被害を受けることもあるでしょう。
築年数によって建物は徐々に劣化していきますので、点検や整備は定期的に行ないましょう。
建物の仕組みやどのような家が地震に強いのかなど、基礎知識を身に着けておくことも大切です。
地震保険や共済保険に加入するなど、経済的な備えについても家族で話し合う必要があります
④家具の固定や配置変更
背の高い家具・重い家電など、倒れたときに二次被害をうむ可能性があるものは、壁や床に固定しておきましょう。
また、ガラスなどが飛び散らないように、飛散防止フィルムを張っておくことも大切です。震災では、倒れた家具の下敷きになってけがを負うことが考えられるので、事前に対策をするように意識しましょう。
実際に「首都直下地震による被害想定」によると、想定負傷者のうち約34%が家具などの落下によってけがをするという試算もでています。
家具を固定することが、自分だけでなく家族の身を守ることにつながります。
⑤備蓄品など日ごろからの備え
災害はいつ起こるか分かりません。
突然起きても慌てないよう、備蓄品や常備品をできるだけ事前に備えておきましょう。
事前に準備しておきたいものとしては、次のようなものが挙げられます。
外出先でも常に携帯しておくべきもの
- 身分証明書となるもの…運転免許証・保険証・マイナンバーカード
- 閉じ込められたときに生命線となるもの…ペットボトルの水・チョコレートや飴・ハンカチ(口を覆える布)・笛
- 状況把握に必要なもの…ポケットラジオ・スマートフォン・モバイルバッテリー・筆記用具
- けがや病気で受診の際に必要になるもの…病院診察券・お薬手帳・保険証 ※特に持病のある方は必携
家や職場に常備しておくべきもの
- 避難に役立つもの…歩きやすい靴・LEDライト・レインコート・手袋(できれば革製)など
- 日常生活に必要なもの…水や食料、ティッシュペーパー類などの備蓄品・常備薬・口座番号などを控えたメモ(万が一通帳やキャッシュカードを紛失した時に役立ちます)やノート・入れ歯や補聴器などの補助器具など
- 乳児のいるご家庭の場合…ミルク・紙おむつ・ほ乳びんなど
⑥家族で防災会議
あらかじめ、災害時の連絡先や連絡方法、合流場所を家族内で共有しておきましょう。
災害発生時に家族が一緒にいるとは限らないので、離れ離れになっても再会できるように話し合いを行うことは大切です。
また、子供が保育園・幼稚園・小中学校に通っている場合は、災害時の対応についての取り決めを忘れずに確認しておきましょう。
・災害用伝言ダイヤル
局番なしの「171」に電話をかけると伝言を録音でき、自分の電話番号を知っている家族などが、伝言を再生できます。
※一般加入電話や公衆電話、一部のIP電話からご利用できます。
※携帯電話・PHSからもご利用できます。
・災害用伝言板
携帯電話やPHSからインターネットサービスを使用して文字情報を登録し、自分の電話番号を知っている家族などが、情報を閲覧できます。
※特に高齢者など避難に時間がかかる家族がいれば、あらかじめ避難開始のタイミングや手順、避難経路について具体的に話し合い、決めておきましょう。
夜間や雨天時、停電時などいろいろなケースを想定し対策をしておくことが大切です。
※ペットを飼っている家庭では、ペットの避難場所をどうするか決めておきましょう。
ペットの受け入れについて自治体に事前に確認しておきましょう。
あわせて、ペットの非常食についても忘れず準備しておきましょう。
⑦地域とのつながりを大切にする
①にもあるように、減災に重要な「共助」には、日頃の近所付き合いが大切です。
日頃から声をかけあい、いざというときに助け合える関係を築いておきましょう。
また、地域の防災対策を知るには、町内会や自治会で行われる防災訓練や炊き出し、救護訓練などに参加しておくことをおすすめします。
避難に最低限必要なものリスト
ここで準備物を確認しておきましょう。
被害の状況によっては、しばらく避難所で過ごさなければならなくなるかもしれません。
避難所に行ってすぐに炊き出しがあるわけでも、暖かい毛布などが用意されているわけでもありません。
最低限の食料、冬であれば防寒具などは必要です。
下記に最低限必要なものを挙げましたので、これらだけでも準備して防災減災の対策しておくことをおすすめします。
避難に最低限必要なものリスト
□水
□すぐ食べられる非常食(乾パンなど)
□歯磨きシート
□ウエットテッシュ
□マスク
□生理用品
□タオル・手ぬぐい
□メモ用紙
□筆記用具
□下着
□着替え
□レインコート(着替え・防寒にも使える)
□携帯の充電器(モバイルバッテリー)
□現金
□ヘッドライト(両手が使える)
忘れがちだけど大切なものリスト
□身分証明書(マイナンバーカード・保険証・運転免許証など身分証のコピー)
□家族の連絡先が記載されたメモ
□薬の処方箋のコピー(持病のある人)
□予備のメガネ(視力の低い人)
必要な品は家族構成によっても異なります。
例えば、赤ちゃんのいる家庭には「おむつやミルク」を、小さな子どものいる家庭には簡単に時間つぶしができるおもちゃなど、と自分の家族構成や生活に合わせて、必要な品をプラスして防災減災対策してみてください。
まとめ
今すぐに万全の備えをすることは、忙しい日々の中ではなかなか難しいかもしれません。
しかし、地震・火山噴火・台風・土砂災害などの自然災害はいつ突然来るか分かりません。
できることから一つずつでも、防災対策・減災対策を意識して過ごしてみてはいかがでしょうか。
防災 減災のために特別なものを用意するのではなく、電気やガス、水道などのライフラインが止まった場合に備えて、できるだけ、普段の生活の中で利用されている食品等を備えるようにしましょう。
※ 大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
※ 飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておく、などの備えをしておきましょう。