【2022年】台風のたまごとは?仕組みや最新情報、対策などを解説

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台風のたまごという言葉の意味を知っていますでしょうか? 台風の多い時期に天気予報で「台風のたまごが発生しました」と一度は耳にしたことがあるかもしれません。

 

しかし「台風のたまごってそもそも何?」「台風のたまごが発生すると台風に気を付けたほうがいいってこと?」と、疑問に思う方が多いでしょう。

 

そこで本記事では、そんな台風のたまごやできる仕組み、発生しやすい場所などについて解説していきます。

 

台風が発生してから消滅するまでの流れもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

目次

台風のたまごとは何?|気象庁における定義は?

台風のたまごとは、台風になりそうな熱帯低気圧です。台風に発達していくときもあれば、消滅する可能性もあります。

 

気象庁には台風のたまごという用語はなく、あくまで俗称となっています。

 

簡単にいうと熱帯低気圧。熱帯もしくは亜熱帯地方に発生する低気圧の総称です。

 

低気圧には、周りから空気が集まる性質があります。高気圧から低気圧に空気が流れて、その空気が上昇気流となり、冷やされて雲になります。そして、雨が降ります。

 

また、台風との違いは、以下のように風速の違いにあります。

 

  • 台風⇒最大17.2m/s以上
  • 熱帯低気圧⇒最大17.2m/s未満

 

一般的に風速17.2m/s未満の熱帯低気圧は「台風のたまご」です。

 

シンプルに風速が強いかどうかの違いです。ちなみに、m/sの読み方はメートル毎秒で「1秒間に何メートル進むか」という意味になります。

 

台風のたまごと呼ぶと、かわいらしい感じがします。たまごが孵化して台風に成長するようなイメージがするため、分かりやすさはありますね。

台風のたまごが発生しやすい場所は?

台風のたまごは、熱帯や亜熱帯地方であればどこでも発生するわけではありません。以下の条件を満たす場合は、発生しやすくなります。

 

  • 海水温の高い海域
  • 北緯5℃~25℃付近
  • 赤道上から離れている場所

 

詳細は以下の通りです。

 

海水温の高い海域


台風のたまごが発生しやすいのは、海面水温26.5℃以上の地域です。この辺りの水温が高いため、雲ができやすく台風が渦を巻く力があるというのが理由になります。

 

日本なら沖縄付近の地域になるでしょう。

 

北緯5℃~25℃付近


北緯5℃~25℃付近は、気流が集まりやすく積乱雲ができやすくなります。日本だと沖縄県が北緯26℃あたりに、インドネシアあたりが北緯5℃に位置します。

 

赤道上から離れている場所


台風のたまごは赤道上にはできません。なぜなら、赤道上ではコリオリ力と呼ばれる回転する力が発生しないからです。

 

台風が回転しているのは地球の自転が原因ですが、赤道上では回転する力が働きません。赤道は地球の中心を通っているため、回転する力が働きにくいのは何となくイメージできますね。

台風ができる仕組みとは?

台風は熱帯低気圧がもとになってできるとお伝えしました。どのようなプロセスで発生するのか見ていきましょう。

 

  1. 積乱雲の群れができる
  2. 水蒸気が上昇し雲に変化
  3. 「1」「2」が繰り返されて台風へ発達

 

上記のステップについて解説していきます。

 

1.積乱雲の群れができる


「台風のたまごが発生しやすい場所は?」で説明した場所では、海水が日差しを受けると上昇気流が発生します。その上昇気流によって低気圧ができると、空気が流れるようになり回転する力が働き渦ができるのです。これを積乱雲の群れ(クラウドクラスター)と呼びます。

 

2.水蒸気が上昇し雲に変化


積乱雲ができると、熱が発生するようになり、周囲よりも温度が高くなります。これは水蒸気が水に変わるときに潜熱(せんねつ)という熱が放出されるからです。

 

温度が上がった空気は密度が小さいため、上昇し気圧が低下し周辺の空気が集まります。空気が収束すると、渦の力が強くなり雲に変化していきます。

 

3.「1」「2」が繰り返されて台風へ発達

基本的に「1」と「2」が繰り返されて、規模が大きくなり台風へ発展します。積乱雲が熱帯低気圧になり、やがて最大風速が17.2m/sを超えるようになるのです。

 

台風の発生と発達には、膨大な水蒸気の潜熱は欠かせません。台風が北上して自身よりも冷たい海域に来た場合には、衰弱していきます。

 

クラウドクラスターから台風に発達する可能性はわずか数%。年に何回か日本を横断する台風は、このような工程を経て奇跡的な確率で発生していたのです。

【2022年最新情報は?】台風のたまごはどのようにやってくるのか?

台風が来るのは天気予報やニュースで確認できますが、台風のたまごの情報は報道されていません。では、台風のたまごを事前に知るにはどうしたらいいでしょうか?

 

気象庁公式サイトの台風情報で確認できます。

 

〇気象庁公式サイト「台風情報」

https://www.jma.go.jp/jma/index.html

 

気象庁が台風のたまごを検知したときに、アルファベット「TD」で表示。24時間以内に台風になりそうな熱帯低気圧を見つけられるため、台風のたまごの最新情報をチェックできるでしょう。

 

熱帯低気圧が23時間以内に台風に発達すると気象庁が発表したときは、進路や強さを5日先まで予測してくれます。

 

予想が外れる場合があるものの、事前に知ることができるためリスク回避が可能です。

 

また、アメリカ海軍の発表する台風情報やヨーロッパの欧州中期予報センター(ECMWF)の情報、チェコの企業が提供する「Windy.com」も参考になります。それぞれご紹介しますね。

 

アメリカ海軍の台風情報 (JTWC)


アメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センターが発表する台風情報で「Joint Typhoon Warning Center (JTWC)」とも呼ばれています。

 

〇アメリカ海軍の台風情報

https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html

 

元々はアメリカの政府機関が利用するためにつくられましたが、一般の人もアクセス可能です。

 

6時間ごとに更新する仕組み。時刻表記が協定世界時(文中表記はUTCではなくZ)となっているため、日本との時差は9時間あります。日本時間に直すには9時間プラスすれば問題ありません。

 

風速の単位も米軍ではKT(ノット)です。この数字を2で割ると日本の風速の単位m/s(メートル毎秒)に変換できます。

欧州中期予報センター(ECMWF)


欧州中期予報センターは国際機関で、正式名称はEuropean Centre for Medium-Range Weather Forecastsです。

 

アジアの台風進路を予測しています。気象庁やJTWCでは、最大5日後まで予報しますが、欧州中期予報センターは10日後までチェックできます。

 

〇欧州中期予報センターの台風情報

https://www.ecmwf.int/

 

JTWCと同じように時間は国際標準のため、日本時間に直すには9時間を加えてください。

Windy.comは大気の流れが見やすい


Windy. comはウィンディドットコムと読み、リアルタイムな天気予報サービスを世界中に提供するヨーロッパ(チェコ)の企業です。

 

〇Windy. com

https://www.windy.com/?35.796,139.469,5,i:pressure

 

風の流れや雨や雪が降っている地域、雷が鳴っている地域などをリアルタイムに確認できます。ECMWFのモデルにした結果に切り替えることもできるため、公式サイトを見るよりも分かりやすいでしょう。

 

 

事前にするべき台風対策とは?

台風のたまごから台風に発展してしまうと、十分な対策をしておかないと大きな被害を受けてしまう可能性があります。

 

台風が日本に接近・上陸すると、大雨、洪水、暴風、高波、高潮などをもたらします。その結果として、川の氾濫や土石流、がけ崩れ、地すべりなどが発生。

 

自宅の浸水や崩壊が起こりやすくなるほか、人々の生活や生命まで脅かされてしまうでしょう。

 

具体的に以下の対策を検討してみてください。

 

  • 防災グッズを用意する
  • 台風発生時の土砂災害のリスクを確認する
  • 避難経路を確認する
  • 避難のタイミングを決める

 

詳細は以下の通りです。

 

防災グッズを用意する


台風や豪雨の警告や注意報が出てから、防災グッズを買いに行っても売り切れている場合があります。

 

そのため、前もって以下を用意するようにしましょう。

 

  • 食料や水の備蓄
  • 日用品、衛生用品
  • 非常用持ち出しバッグ
  • ロープ
  • 土のう
  • ガラス飛散防止フィルム
  • ブルーシート
  • 脱出用ハンマー

下記順番にご説明しますが、まとめて購入するのがおすすめです。ピースアップであればセットで買えますし、11,000円(税込)以上購入すると送料無料となります。

 

食料や水の備蓄


台風が接近すると、電気・ガス・水道が止まる可能性があり、いつものように料理ができなくなるでしょう。そのため、飲料水や保存の効く食料を用意する必要があります。

 

〇食料や飲料水で買っておくといいもの

・水(1人あたり1日3リットル)

・ご飯類(アルファ米)、カップラーメン

・カップスープ、インスタント味噌汁

・ビスケット、板チョコ、乾パン

 

アルファ米とは、炊きあがったごはんの水分だけを抜いた加工米です。お湯や水だけを入れるだけで元通りのごはんに戻ります。

 

日用品、衛生用品


日用品もあわせて準備したほうがいいでしょう。特にトイレットペーパーやティッシュペーパーは日頃からストックしておくと困りません。台風で断水するときもあるため、ウェットティッシュもあると便利です。

 

最低限、用意した方がいいものを以下にまとめました。

 

  • トイレットペーパー、ティッシュペーパー
  • マッチ、ろうそく
  • カセットコンロやボンベ
  • ウェットティッシュ
  • カイロ
  • ラップ
  • 紙皿や紙コップ
  • マスク
  • 消毒液
  • 救急セット
  • 解熱剤や風邪薬
  • 携帯トイレ

 

いずれもないと生活に困るものばかりですね。台風で避難が必要なときになっても、持っていけるように準備する必要があります。

 

非常用持ち出しバッグ


非常品を一つずつ準備するのは、手間がかかります。最近ではホームセンターやAmazon、楽天などで非常品がセットになった「非常用持ち出しバッグ」が販売されています。

 

今現在、何も非常用品がないといった方はまずは1つ用意しておくのはおすすめです。1人用~4人用といったように世帯に合わせて選べます。定期的に中身を確認して必要に応じて、補填するのも忘れてはいけません。

 

ロープ


台風でカーポートや物置が飛ばされてしまうときがあります。その対策としてロープが必要です。

 

結び方の決まりはありませんが、キャンプや建設現場でよく使われるもやい結びが定番です。簡単に結べてほどけにくい特徴があるため、何度か練習してみるといいでしょう。

土のう


土のうは、家や建物の浸水を防ぐための防災グッズです。周囲に河川や海があると、台風のときに浸水する場合があるため、玄関や勝手口に積み上げておきます。

 

ホームセンターなどで購入できますが、市区町村によっては無料でもらえるため、一度ホームページを確認しましょう。

 

より簡易的に浸水対策ができる方法もあります。水防ツール「デルタパネル」は軽量で高耐久性のシートを用いて水防壁をつくります。組み立てと設置にも時間がかからずに、高い防水性を実現可能です。

 

土のうに代わるアイテムを探しておくといいでしょう。

 

ガラス飛散防止フィルム


ガラス飛散防止フィルムは、窓ガラスが飛び散るのを防ぐために使います。台風の強風でさまざまなものが飛んできて、窓ガラスが割れるリスクがあるからです。

 

ガラス飛散防止フィルムを準備できないときは、養生テープで代用できます。窓の内側に養生テープを使って「米」の字になるように貼るだけです。

 

ブルーシート


ブルーシートは、外壁の浸水や破損を防ぐときに使います。レジャーシートでも問題ありません。基本的に住宅の外壁には防水対策がされていますが、台風のような大雨の場合、浸水する可能性があるからです。

 

高所での作業となり危険です。必ず2人で作業するようにしましょう。

 

脱出用ハンマー


台風の豪雨により車が水没するリスクがあります。避難が遅れてしまい、水没した車に取り残されてしまう場合もあるでしょう。そんなときに脱出用ハンマーで窓ガラスを割って脱出するのです。

 

価格は1本1,000円~2,000円程度とリーズナブル。シートベルトをカットできるタイプもあります。

 

台風発生時の土砂災害のリスクを確認する


台風が発生すると、地域によって土砂災害のリスクが高まります。土砂災害警戒区域かどうかチェックするなどして、お住まい場所の安全性を確認しましょう。

 

詳細は以下の記事で解説しているので、確認してください。土砂崩れの起きやすい場所や原因を分かりやすくまとめています。

 

>>土砂崩れとは?起きやすい場所や原因、対策・備えるものを解説

 

避難経路を確認する


当日、慌てないで行動できるように自宅付近の避難エリアと避難経路をしっかり確認しましょう。学校や公民館など地域によって異なりますが、避難距離が3キロ未満になるように設定されています。

 

市区町村のホームページに記載されているので、分からない方は必ず確認してください。

 

土砂崩れが起きると、避難場所や避難経路が潰されてしまう可能性もあるため、経路パターンをいくつか用意しておくのはおすすめです。

 

避難のタイミングを決める


台風の中、家にいるのが絶対的に安全というわけではありません。土砂崩れや河川の氾濫などのリスクがあると、避難勧告が出るでしょう。テレビやネット、ラジオでお住まいの地域の情報を確認してください。

 

一般的に警戒レベル4以上であれば、避難しましょう。それまでに家を出る準備もする必要があるのを忘れてはいけません。

まとめ

台風のたまごは、台風になる前の熱帯低気圧です。最大風速17.2m/sまで成長すれば台風になりますし、消滅してしまうときもあります。

 

本記事で紹介したサイトで台風のたまごを確認できるため、興味があれば一度チェックしましょう。

 

台風は何よりも早めに検知して対策をすることが大切です。台風で甚大な被害を受けるリスクがある場合は、早めに備えておいても損はありませんね。

 

7月~11月は台風の多い時期です。年に1回でも台風の防災対策をして、万が一のときに備えてください。

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この記事を書いた人

幼少期に親族が水災に巻き込まれた経験があります。その出来事が私の人生に大きな影響を与え、環境保護へのきっかけとなりました。
このような経験を通じて、被災者やその家族に寄り添いながら、水災の現状や対策について専門的な記事を執筆しています!

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