地震発生時の断水対策!水道が止まったら復旧までどのくらい?

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大地震などの自然災害の発生に伴って引き起こされることが多い断水。
災害大国のこの日本で、いつ大規模な地震が起こるかわかりません。
発生した地震の規模の大小に関わらず、水道が止まるリスクはあるでしょう。

地震によって断水してしまったら、水道はどのくらいで復旧するのか?
事前にどのような断水対策をしておけば良いか分からない方もいるでしょう。

そこで、この記事では、地震によって断水が発生した際の主な断水対策・過去の事例・防災に役立つ方法などを詳しく説明していきます。

この記事を読むことで断水に備えての対策、どのように対応すれば良いのかが理解できると思います。

目次

断水とは

まず、大前提に断水とは水道法における水道の定義とは〈導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。ただし、臨時に施設されたものを除く〉となっています。
断水とは水道が機能を停止し水を供給できなくなることを指します。
水道管の新設工事や老朽管の更新工事を行うために事前に計画して水を止めることを計画断水、災害や不測の事態で水を止めることを緊急断水といいます。

過去の災害による断水被害の例

過去に起こった断水の断水戸数と断水期間について、まとめた表が下記になります。
東日本大震災では復旧に5か月以上要した地域もあります。

地震名 断水戸数 断水期間
阪神・淡路大震災 約130万戸 約3ヶ月
新潟県中越地震 13万戸 約1ヶ月
東日本大震災 約 256.7 万戸 約5ヶ月
熊本地震 約 44.6万戸 約3ヶ月
大阪府北部地震 約9.4万戸 2日
北海道胆振東部地震 約6.8万戸 約1ヶ月
豪雨・凍結被害 断水戸数 断水期間
平成27年9月 関東・東北豪雨
(茨城県、栃木県、福島県、宮城県)約 2.7万戸12日平成28年1月 寒波による凍結被害
(九州を中心に西日本一帯、1府20県)約50.4万戸7日平成28年8月 台風10号
(北海道、岩手県等)約1.7万戸39日平成29年7月 九州北部豪雨
(福岡県、大分県)約0.3万戸23日平成30年1~2月 寒波による凍結被害
(北陸地方、中国四国地方)約3.6万戸12日平成30年7月 平成30年7月豪雨
(広島県、岡山県、愛媛県等)約26.3万戸38日

断水が発生した場合の悪影響・注意点

人の体は60〜70%ほどの水分でできており、水を飲まなければ5日ほどで死に至ってしまうため、水は人が生きていく上で決して欠かすことのできない存在です。
人体から5%の水分が失われると脱水症状などが現れ、10%以上であれば生命に危険をもたらす事態に陥ってしまうので、自然災害発生時に伴う断水が起きた際に十分に備蓄などをしていなければ、安全に避難生活を送ることができない恐れがあります。
また断水発生時は、ほとんどの水洗トイレが機能しなくなり、対策を取っていなければ便器に排泄物が溜まることで感染症が蔓延する原因となる危険性があります。

地震とそれ以外にも断水が発生する主な原因

断水とは水道の給水が途絶されてしまう事態のことですが、計画断水以外にも台風や地震、水害などの災害発生時に断水が起きてしまうおそれがあるのです。
地震や台風などの自然災害発生時は、以下のような原因で断水が発生する危険性があるため、被害を最小限に抑えるためには、地震などの自然災害対策だけでなく、断水に関しても備えておかなければなりません。

地震による断水

水道管は地中に埋められており、地震による地面の揺れで継手部分が外れるなどして破損することがあります。
水道管が破損すると地上に水が噴出します。
また、地震による津波で家が流され、住宅と水道管の接続部分が壊れることによっても断水が起こります。

水道管の老朽化で耐久性が低下したため損傷

水道管の法定耐用年数は40年です。
高度経済成長期に整備されて以降更新されず、新耐震基準を満たしていない水道施設も多くあります。
地下にある水道管が経年劣化で破損すると、漏水が起きます。
漏水によって水圧の低下や、道路の陥没などにつながることもあり、緊急断水が行われるケースがあります。

停電に伴う断水

水道の蛇口まで水を送りためには、当然、電力が必要になります。

そのため停電になると送水できなくなり断水します。
最近では集合住宅などで特に、停電時も送水できるよう発電機を備えているところもあります。

水道管の凍結による断水

水道管が凍結し破裂すると水漏れなどが起きます。

水道管の凍結による断水は、外気温がマイナス4度を下回る時や長期間水道を使用しない場合に起こりやすいそうです。
凍結防止ヒーターや水道管を保温材で包むなどの対策方法があります。

その他

・給水施設や浄水場、送水設備などの損傷・水害によって浄水場などが浸水被害を受ける
・貯水池に土砂が流れ込む
など

上述の通り、水道管の損傷以外にも停電によって断水が引き起こされる場合があり、浄水場などの施設が停電した場合は断水に繋がりますし、建物の3階以上は電力によってポンプを動かしているため、停電に伴って断水が発生してしまう可能性が高いのです。

断水に備えるには?(飲料水編)

基本的に飲料水はローリングストック法による備蓄がおすすめです。
「ローリングストック法」とは、災害時に備えて水や食料を多めに買い置きして、消費した量に応じて補充する、という備蓄方法です。水や食料を、日常的に消費しながら備蓄していくこととなります。
ローリングストック法のポイントは、古いものから消費することと、使った分は必ず補充することです。それによって一定の備蓄量を維持しつつ、水や食料の鮮度も保つことができます。
飲料水はこのローリングストック法で備蓄することを踏まえて、具体的な備蓄方法について、3つのパターン別に見ていきましょう。

①防災用ポリタンク・ウォータータンク

ポリタンクなどのハードタイプのウォータータンクは、大容量の水を備蓄できる点がメリットです。災害時に万が一、備蓄水が底をつきても水の配給にも役立ってくれるでしょう。
また、保管スペースに限りがある場合は、小さくコンパクトに収納できる袋状のソフトタイプも選ぶとよいでしょう。
デメリットとしては、ハードタイプはある程度の広さの保管場所が必要な点や、ものによっては運びにくい点が挙げられます。
上記のような特徴を踏まえると、ウォータータンクは保管スペースの広さや備蓄したい水の量に応じたサイズを選ぶことが大切です。また、キャスター付きの運びやすいものや、コック付きで必要な量だけ水を出せるものもおすすめです。
なお、ウォータータンクで水を備蓄する場合は、水だけでなくタンク自体の点検も行いましょう。長期的に保管しておくとタンクが劣化したり、ひび割れを起こしたりすることがあります。
災害時に問題なく使えるよう定期的に点検・交換しましょう。

②ペットボトル

ペットボトルの飲料水は、小分けにして常温で長期間保存できて、賞味期限もわかりやすい点が魅力です。

また、500mLや2Lなど1本あたりの容量が明確なため、備蓄量を把握しやすい点もメリットと言えるでしょう。
フタを開けるだけで使用できるので、消費しやすい点も魅力です。
近所のスーパーでため買いするか、ネット通販などを利用して購入しローリングストック法を用いながら、常備しておきましょう。

注意したいのは、一度開封したペットボトルの水は、早めに消費する必要があることです。また、衛生的な観点から、飲用する際はボトルに直接口をつけず、飲むよう心がけましょう。

③ウォーターサーバー

災害対策・備蓄対策の一環として、ウォーターサーバーを導入する方法もおすすめです。
定期的に水が届くため自身で買い足す必要がなく、備蓄の管理が非常に楽になります。
また、電気があれば冷水とお湯を出し分けることも可能です。災害時に備えつつ、日常生活でも便利に使うことができるでしょう。
その一方で、ほかの備蓄方法よりもランニングコストがかかりがちな点には注意しましょう。水代に加えて、電気代、地域によっては送料などがかかる場合があるため、サービスによっては割高に感じられるかもしれません。
また、ウォーターサーバーを設置する場所と、補充用ボトルの保管場所もそれぞれ必要です。



飲料用の断水対策にオススメはウォーターサーバー

いつでも適温の水が使えるウォーターサーバーは、日々の生活を便利にするだけでなく、災害時の備蓄にも役立ちます。
しかし、もし停電が起きた場合、ウォーターサーバーから水を出せるのかどうか、気になったことはありませんか?

ウォーターサーバーは停電時でも使えるの?

ウォーターサーバーには、停電時でも使えるものと使えないものの、2種類があります。
その違いは、水を出す仕組みにあります。自宅で使っている本体の仕組みをチェックし、断水や停電に備えておきましょう!

レバー式・コック式なら停電時でも使える

電力を使わずに重力で出す機種なら、停電時でも常温の水が使えます。
重力で水を出すタイプは、コップを押し付けるレバー式、つまみを動かすコック式が代表的です。

ボタン式は停電になると使えない

電気を使って水を出すボタン式は、停電になると水を出せないうえに、水の温度を保つ温冷機能も使えなくなります。
新たに断水・防災対策にウォーターサーバーの導入を検討されてる方はサーバーのタイプをしっかり確認してから申し込みしましょう!



断水に備えるには?(生活用水編)

地震、停電、豪雨、凍結などへの防災

上述でもあった通り、日本の水道設備は老朽化しています。
台風や地震などの自然災害が発生した場合は、それに伴って断水が誘発されてしまう恐れがありますが、断水に備えてどのような対策をしておけば良いのでしょうか。
個人でできる主な断水対策を説明していくので、参考にしてみてください。

水道水の汲み置きなど備蓄水を用意しておく

あくまで一般的にですが、水道が復旧するのに3日程度かかると言われています。

大規模な災害発生時は復旧作業の長期化に伴って避難生活が長引くおそれがあるため、3日分を必要最低限とし、余裕をもって1週間分以上の備蓄水などを用意しておくことが望ましいです。

飲料用と調理用水を1人1日3リットルの3日分で9リットルほど清潔な蓋付きポリタンクで汲み置きしておきましょう。

※飲料用としては、災害に備えて5年から10年の長期間保存できる水があります。それを普段から用意しておくと安心です。

浴槽に水を溜めておく

飲用水だけでなく生活用水も必要になるため、台風や豪雨の発生が予想されている場合は、生活用水を確保するために浴槽に水を溜めておきましょう。

浴槽に溜めた水には風呂に入った後に残る垢などの雑菌が含まれるため、飲用水としては適していませんが、洗濯や機能しなくなったトイレを流すなどの生活用水として活用することができます。

一般家庭の浴槽では200〜280Lの水を溜めることができるため、大量の生活用水を確保する際に役立ちます。

注意点


小さな子供がいる家庭
子供が浴槽に転落し、溺死・溺水する危険性があるので十分、注意しましょう。

・マンションの場合
戸建てよりも排水管が損傷しやすく、排水できない恐れがあるため。
マンションで排水管の損傷によって排水できない状態で、浴槽に溜めた水で無理に排水しようとすると階下の部屋が水漏れしてしまう可能性があるので、他の住民とトラブルにならないよう注意しましょう。

断水や停電に備えた対応まとめ

・非常用トイレの確保最重要項目。ライフラインの全滅に備えて、1週間分程度のトイレ備蓄を推奨。何も準備がない場合は、「袋」+「吸収剤」で手作りしましょう。
新聞・猫砂・オムツなどを活用。

・飲食用の水の確保上述の通り、飲料用で1日辺り1.5~2リットル、食事用+生活用をあわせて、1日辺り1名3リットルを目安に備蓄
防災用の長期保存水は高価なため、備蓄しておくに越したことはないですが、安価なペットボトル水を普段から購入・使用・補充(日常備蓄)が望ましいでしょう。
ペットボトル水を買う習慣がない場合は、お茶、水素水、炭酸水など、水以外でも良いでしょう。
また、毎月定期配送のスタンド型ウォーターサーバーを契約して1台置いておくと備蓄にも役立ち、便利です。
・冷蔵庫に凍らせたペットボトル停電対策として、冷凍庫の中に凍らせたペットボトルを入れておくと、食品が長持ちします。
溶けた水は飲料水になるので、これも利用できる。
・水の節約ウェットティッシュなどを準備することで、洗浄用の水を減らすなどの工夫が必要でしょう。
・マンションに住んでいる場合停電するとエレベーターも止まるため、給水車などから水をもらう場合は持ち運び手段が必要です。
手持ちのタンク&キャリーカートなどの場合、上層階まで水を持ち上げるのが非常に大変になります。
なので、例えばリュックサックにポリ袋を重ねて入れて、これに水をもらってしばって持ち帰れば楽に水を運べるでしょう。
・お風呂場に水を溜める場合の注意断水に備えて、普段から風呂場の浴槽に水を溜めておくことは有効。地震の揺れによる飛び出しを防ぐため、できれば蓋をしておく。
ただし、上述の通り、幼児がいる場合は溺死の恐れがあるため、風呂の扉をロックするか、水を溜めるのはやめる、などの判断も必要。
・住宅設備との兼用エコキュートやエネファームなど、貯水型の給湯設備を導入することで、常時数百リットルの貯水ができます。
防災目的だけに導入することはコスト面のハードルが高いが、他の目的を主として、防災にも役立てる、という動機なら良いでしょう。
また屋根に降った雨水をタンクに溜めて、庭への散水などに使用するようなタンクなども有効になります。

まとめ

ここまで読んでいただきました通り、地震などの自然災害発生時は断水が起きる危険性があり、水道の復旧にも時間がかかることが分かったと思います。
十分に飲料水の備蓄などの対策を行なっていなければ、被災後の避難生活を安全に過ごせなくなってしまう恐れがあります。
この記事を参考にしていただき、自然災害における断水への理解を深めて、災害・防災対策の一環として普段から可能な限りの断水対策を行いましょう。

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この記事を書いた人

幼少期に阪神淡路大震災を体験し、20代前半に起こった東日本大震災では、北関東で間接的な被害を受けました。
断続的な停電や断水をなどを経験した事で得た豆知識を、少しでも世間の方の助けになればと執筆しています!

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