水の備蓄はどのくらい必要?災害時の水の必要量・おすすめの備蓄方法を紹介

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緊急時の暮らしの安全を守るためにも、日頃から災害への備えをしておくことは大切です。災害発生時は断水による飲料水や生活用水の不足が想定されます。

水をしっかり備蓄した上で、緊急時の水の確保方法を把握しておくことがとても重要です。

そこで「水はどのくらいあれば安心?」「ベストな備蓄方法は?」といった点が気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、災害時のために準備しておきたい水の必要量や、おすすめの備蓄方法を紹介していきます。

目次

日本は自然災害大国

日本は地震のほかに台風や土砂災害、火山の噴火など海外に比べて自然災害が起こりやすい国です。

特に注目すべきは地震。全世界で発生した、マグニチュード6・0以上の地震のうち実に20・5%が日本で起きているそうです。

世界的に見ても小さな国である日本が、世界の5分の1にも及ぶ大きな地震を経験しているのです。

日本の位置や気候など、さまざまな条件によって地震や自然災害が起こりやすくなっているのです。

災害時、水の備蓄はどれくらい必要?

まず初めに、災害時に備えるべき水の量はどれくらいなのか見ていきましょう。

一般的な目安として、災害対策に必要な水の量は1人あたり約9Lとされています。

しかし、これは水分補給や調理に使う「飲料水」のみの場合です。

災害時は飲料水だけでなく、トイレ(使用可能な場合)や衛生対策などに使う「生活用水」も必要となるため、水を備蓄する際は9Lよりも多く用意しなければなりません。

そこで飲料水と生活用水に分けて、具体的に必要な備蓄量をご紹介します。

1日で必要な飲料水は1人で3L!

飲料水は、1日につき1人あたり3L程度あると安心です。

農林水産省の「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」でも、直接飲用する水は1人あたり1日1L必要で、調理などに使用する飲む以外の水も含めると、3L程度用意することを推奨しています。

また、災害時用の水は、最低でも3日分の備蓄が望ましいとされています。

1人1日3L×3日分で、1人あたり9Lの飲料水を用意しておくとよいでしょう。

繰り返しになりますが、あくまでこれは飲料水のみの量になります。

生活用水はどれくらい必要?

手洗いやトイレ(使用可能な場合)、食器類の洗浄などに使う生活用水は、1日につき1人あたり10~20L必要と言われています。これは最低限の生活水準を維持するために必要とされている水量です。

消防庁によると、大規模な災害発生時の生活用水の給水は災害発生から1週間~10日程度を目途に行われる目標のため、すぐに生活用水が得られるとは限りません。そのため、飲料水とは別に生活用水も準備する必要があります。

家族構成にもよりますが、出来れば最低でも3日分(1人あたり30~60L)の生活用水を用意しておきたいところです。

飲料水のおすすめの備蓄方法

まず、基本的に飲料水はローリングストック法による備蓄がおすすめです。

「ローリングストック法」とは、災害時に備えて水や食料を多めに買い置きして、消費した量に応じて補充する、という備蓄方法です。水や食料を、日常的に消費しながら備蓄していくこととなります。

ローリングストック法のポイントは、古いものから消費することと、使った分は必ず補充することです。それによって一定の備蓄量を維持しつつ、水や食料の鮮度も保つことができます。

飲料水はこのローリングストック法で備蓄することを踏まえて、具体的な備蓄方法について、3つのパターン別に見ていきましょう。

①防災用ポリタンク・ウォータータンク

ポリタンクなどのハードタイプのウォータータンクは、大容量の水を備蓄できる点がメリットです。災害時に万が一、備蓄水が底をつきても水の配給にも役立ってくれるでしょう。

また、保管スペースに限りがある場合は、小さくコンパクトに収納できる袋状のソフトタイプも選ぶとよいでしょう。
デメリットとしては、ハードタイプはある程度の広さの保管場所が必要な点や、ものによっては運びにくい点が挙げられます。

上記のような特徴を踏まえると、ウォータータンクは保管スペースの広さや備蓄したい水の量に応じたサイズを選ぶことが大切です。また、キャスター付きの運びやすいものや、コック付きで必要な量だけ水を出せるものもおすすめです。

なお、ウォータータンクで水を備蓄する場合は、水だけでなくタンク自体の点検も行いましょう。長期的に保管しておくとタンクが劣化したり、ひび割れを起こしたりすることがあります。

災害時に問題なく使えるよう定期的に点検・交換しましょう。

②ペットボトル

ペットボトルの飲料水は、小分けにして常温で長期間保存できて、賞味期限もわかりやすい点が魅力です。

また、500mLや2Lなど1本あたりの容量が明確なため、備蓄量を把握しやすい点もメリットと言えるでしょう。
フタを開けるだけで使用できるので、消費しやすい点も魅力です。

近所のスーパーでため買いするか、ネット通販などを利用して購入しローリングストック法を用いながら、常備しておきましょう。

注意したいのは、一度開封したペットボトルの水は、早めに消費する必要があることです。また、衛生的な観点から、飲用する際はボトルに直接口をつけず、飲むよう心がけましょう。

③ウォーターサーバー

災害対策・備蓄対策の一環として、ウォーターサーバーを導入する方法もおすすめです。

定期的に水が届くため自身で買い足す必要がなく、備蓄の管理が非常に楽になります。

また、電気があれば冷水とお湯を出し分けることも可能です。災害時に備えつつ、日常生活でも便利に使うことができるでしょう。

その一方で、ほかの備蓄方法よりもランニングコストがかかりがちな点には注意しましょう。

水代に加えて、電気代、地域によっては送料などがかかる場合があるため、サービスによっては割高に感じられるかもしれません。

また、ウォーターサーバーを設置する場所と、補充用ボトルの保管場所もそれぞれ必要です。

生活用水のおすすめの備蓄方法

ここまでは飲料水の備蓄方法をご紹介してきました。続いて、生活用水の備蓄方法を2つのパターンに分けて見ていきましょう。

①お風呂の浴槽

上述のように、1日につき1人あたり10~20L必要と言われています。

お風呂の浴槽は、一般的な住宅なら最も多くの水を効率よく備蓄できるスペースです

毎日お風呂を沸かす前に前日貯めておいた水を捨てるといったことを習慣にすれば、常に150~200Lほどの生活用水を備蓄することができるでしょう。「毎日は難しい…」という方なら、台風や大地震後の余震に備えるためなど、ある程度予測可能な災害のときだけ貯めておくという選択肢もあります。

なお、この水量は一般的な浴槽の7割程度に注いだときのものになります。

浴槽に水を貯めておく際の注意点は、必ずフタを閉めることです。フタを閉めていないと、地震が起きた際に中の水が溢れ出てしまうためです。

地震の大きさにもよりますが、せっかく貯めておいた水が半分以上流れ出てしまう可能性もあります。

また、フタを閉めないと水面と空気の接触が増えて、水の腐敗の原因となるカビやホコリが侵入しやすくなります。なるべく清潔な状態の水を備蓄するためにも、必ずフタを閉めましょう。

②エコキュート

自宅に空気の熱でお湯を沸かす高効率ヒートポンプ給湯機「エコキュート」を導入している場合は、タンクに貯まっているお湯や水を生活用水として使うこともできます。

主流タイプのエコキュートの場合、タンク内には370Lものお湯や水が常に貯められています。

370Lと言えば、浴槽の約2杯分に匹敵します。

1日につき1人あたり10~20L必要だと前述しましたが、たとえば5人家族の場合、4〜8日間程度もつ計算になります。
これだけの生活用水を確保できるため、災害時の心強い備えとなるでしょう。

お風呂に水を貯める場合と違って、いつ訪れるかわからない災害への備えとして、日頃から自然に水の備蓄ができて、手間がかからないのも魅力です。

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この記事を書いた人

幼少期に阪神淡路大震災を体験し、20代前半に起こった東日本大震災では、北関東で間接的な被害を受けました。
断続的な停電や断水をなどを経験した事で得た豆知識を、少しでも世間の方の助けになればと執筆しています!

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